2012年8月21日火曜日

Farewellモード突入(その1)

先週末はバンド練習もクラブのサイクリングもなかったかわりに、土日とも知り合いとディナー。アデレード滞在もなんとあと3週間ほどとなってしまい・・お別れを見据えたイベントが入り始めました。

自転車のクラブのメンバーの夫婦のお宅にお誘いいただき、もう一組も一緒に。サイクリングの時は、それほど休憩時間が長いわけでもないので、車通りの少ないところで併走しながらなど、あまりゆっくり話せる訳ではありません。どちらも帰国前に一度ゆっくりとと思ってくださっていたらしく、すてきなお宅と美味しい食事と賑やかなおしゃべりで、楽しいプチお別れ会。(来週最後のサイクリングに参加するつもりですが)

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お邪魔した家は、アデレードへの観光客が一度は行く(と思う)Glenelgの近く。トラムにtikitを載せて輪行です。このあたりは、一番ビーチ沿いは歩行者専用道。一つ内側は、自転車歩行者共用(Shared)。少し離れると、下の写真のように、車道が現れます。帰りは、車のトランクに入れて送ってもらえました。
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この家、知らない人の家ですが、ビーチの見える書斎(?)で読書する優雅な環境。うらやましい。

長くなるので、次の日の様子は次回に。

2012年8月16日木曜日

アデレードの春も桜?と思ったら・・

先週の日曜日は1ヶ月半ぶりにクラブのサイクリングに参加しました。グループでの移動が30キロちょっと、家から駅の往復をあわせて50キロ弱というのは、もう慣れている距離のはずだったのですが、帰ってきたら疲れて椅子からなかなか立ち上がれませんでした。

久しぶりに1日晴天で、春の訪れを感じました。北半球でいえば2月中旬にあたる気候のはずなので、今月いっぱいは冬かと思っていたのですが、アデレードではそろそろ春という認識のようです。

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海岸沿いや緑地では色とりどりのwild flower。

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そして街路樹は、桜?と思って自転車を止め、メンバーに聞いたところ、アーモンドじゃないかな、と。

その後、家の近くの東部郊外でもこの花を発見。家に帰って調べたらやはりアーモンドらしい。桜に似ていると言われているのですね。

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そして、こちらも家の近く。Plum tree。日本の梅と同じなのかどうか分からないのですが、日本の春と同じような風景がこちらで見られるというのは、知りませんでした。

前回の滞在時は、8月下旬に来て3月に帰国しているので、8月前半というのは初体験なのですよね。以前のエントリーを書いたときは、これを知らなかったので、オーストラリアの春はJakarandaとだけ書きました。これでアデレードの季節をだいたい一巡したことになりそうです。

2012年8月14日火曜日

大人のホームステイ in Canberra

誕生日で予想外にいただいたfacebookメッセージに返信していたり、一人誕生日祝いでJazzギタリストJohn Scofieldのコンサートに行ったり、夜に何かしていることが多く、また間が空いてしまいました。昨日こそ書こうと思っていのに、久しぶりのクラブのサイクリングで疲れ果て、とても気力が出ず。

すでに遠い昔の記憶のようになっていますが、Canberraでの体験の続き。

前回書いたように、今回のCanberra訪問の目的としては、オーストラリアの政策に関連する研究をしているからには、首都を一度見ておきたいというのがメインです。ただ、帰国が迫ったいろいろやることも多い中で、それを後押ししたのは、「キャンベラに来ることがあったらうちに泊まっていいよ」と知り合い夫婦が言ってくれていたことでした。

知り合いと行っても、3月にあったAustralian Bike Friday Clubの集まりで宿が同じで、一度一緒に晩ご飯を食べに行ったのと、全体ランチで隣に座って話したくらい。

あちらが海外ツーリングから帰宅直後だったので、一応、「片付けなどで大変だろうから他に泊まるからと」メールで遠慮したものの、「どうぞ泊まって」といってもらったので、厚かましくもお世話になりました。

このご夫婦は、これまでにも日本の中高生の交換留学生のホームステイを受け入れた経験あり、家族での外国滞在経験もあるので、母語以外でのコミュニケーションの大変さを分かってくれる。こちらが分からなくて聞き返すと、ゆっくり、あるいは表現を変えて説明し直してくれるます。多くのネイティブスピーカーは、分からなくて聞き返しても同じスピードで繰り返すだけで、なかなかこういう対応をしてもらうことがないので、とてもありがたい。(日本で英語を教えたことのある人は、たいていとても分かりやすく話してくれますが・・)

Canberraはしばしばa big country townと言われるのを聞きますが、いい意味でまさにその表現がぴったり。アデレード以上に高層建築が少なく、山もすぐ近く。

下の写真は、Civicと呼ばれるビジネスの中心部の様子ですが、超高層のビルはなく範囲もさほど広くはありません。
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こちらの湖の景色は、背中側に前回の記事で書いた連邦議会議事堂(Parliament House)や最高裁判書など国の主要な建物、写真奥の木々の向こうがcivicという場所から撮影したものです。長野の白樺湖かどこか避暑地のような雰囲気です。
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お世話になったお宅も、Civicから歩けるくらいの距離なのに、下の写真の通りとてもゆったりした静かな環境。
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この静かな住宅地の中で、庭で野菜を育て、鶏まで飼って卵を自給。コンポストで堆肥を作りゴミを極力出さない生活。

娘さん夫婦(ともに建築士)は、近くに古い家を買って、自分たちで庭と家の中を週末ごとに直している。娘さんの旦那さんは自宅で仕事をしていて、趣味は古い自転車のフレームを加工してロードバイクとしてよみがえらせること。ガレージをそのための工房にしています。

その娘さん夫婦の家がまだ修理中なので夜は両親宅に泊まっていたりして、日曜は僕も一緒にその作業現場に連れて行ってもらい、オーストラリアのextended familyの日常生活も垣間見ることができました。生き方にこだわりが感じられる二組の夫婦と、平日の夜にもかかわらず、ゆったり夕食と暖炉のそばでの食後の一時を楽しむ。 

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まさに、若い頃にできなかったホームステイをさせてもらった気分。本当に、Bike Friday を通じたこの出会いと、お二人に感謝です。

Canberraと姉妹都市関係にある奈良の名前をとったCanberra Nara Peace Park(下の写真)で、ホストファミリーと散策している日本の中学生の女の子に会いました。この年代のホームステイ。将来どんな記憶として残るのでしょうか。
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2012年8月5日日曜日

オーストラリアの首都はどこでしょう?

なんと半月もご無沙汰してしまいました。7月最後の1週間はメルボルンにあるオーストラリア家族研究所AIFS主催の研究大会に参加した後、5年前を含めてオーストラリア滞在計1年半にして、ようやく首都を訪問。

帰ってきてからは、調査準備の手続きに追われたうえに、MacのOS入れ替えのトラブルで、写真を取り込んだパソコンが立ち上がらなくなったりして、ブログの更新ができませんでした。

今日、ようやく新たなOS Mountain Lionの環境で写真も見られるようになり、更新にこぎ着けたというわけです。

さて、話を戻して、オーストラリアの首都はどこでしょう?

それはもちろんオリンピックの開かれたシドニー、

ではなく

キャンベラCanberraです。 (mではなくnなのが間違えやすい)

オーストラリアの人も、メルボルンやシドニーは仕事や遊びで頻繁に行っても、首都キャンベラにはそれほど頻繁に行くことはなさそう。アデレードから飛行機の便も、あまり多くないです。何しろシドニー都市圏の人口が450万人以上なのに対して、キャンベラは37万弱。日本の中規模の市くらいの人口ですね。


大きな地図で見る

行く前の周囲の意見も、「とてもきれいな街。行くべき」という人と、「何もないよ、何しに行くの?」という人と(笑)。

国の政策を含めたオーストラリアの研究をしているからには、やはり一度はこの目で首都を見てみたいということと、3月に参加したAustralian Bike Friday Clubの集まりで知り合ったキャンベラ在住の夫婦が誘ってくれたのもあって、これが最後のチャンス、と足を伸ばしました。

キャンベラは州には属さず、シドニーのあるニューサウス・ウェールズ州に囲まれたAustralian Capital Territory (ACT)という別の行政区の中にあります。それぞれ独立した植民地(後の州)が連邦を作ることになった際に、どこにも属さない場所として首都を建設したという経緯があります。オーストラリア建国が1901年ですが、首都の場所が決まったのが1908年。その後1912年に都市計画の国際コンペでアメリカ、シカゴの建築家Walter Burley Griffinのデザインが選ばれて都市の建設が始まりました。自然の地形を活かした考え抜かれたデザイン。一見の価値があります。

これだけの大国の首都にして、自然の中の街という感じ。写真を見ても分かりますが、山が近い。滋賀県や三重県の山間部に首都を作ったような雰囲気です。

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そして、今回訪れた施設で個人的に一番印象に残ったのが連邦議会議事堂Parliament House。上の写真、キャンベラの紹介でよく出てくる真正面の構図です。1927年から使われていた旧議事堂に変わって、1988年にオープンしたこの建物、一つ一つの空間・意匠に、オーストラリアの人々、自然に関連する意味が込められています。

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なかでも、案内してくれた友人に説明してもらって感銘を受けたのが、ルーフガーデンに込められた意味。9.11以降のセキュリティの強化で変わってしまったのですが、もともとは麓から芝生のスロープで屋根の上に歩いて行けたそうです(上写真の右端の芝生)。今は中間点に柵が設けられて歩いて直接あがることはできなくなったのですが、建物の中からエレベーターで誰でも上がれます。見学もセキュリティチェックはあるものの、名前を書いたりする必要もありません。

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議事堂の上にあるルーフガーデン(上の写真が頂点部分)に誰でも登れる。これは、議会よりも人々の方が重要であるという考えに基づくものだそうです。

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ルーフガーデンから街を一望。湖の向こう側には住宅地を挟んでMt. Ainslie。麓の戦争記念館(War Memorial)まで一直線に緑地帯などの空間が伸びています。

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全体に、物々しさとは対極にある、スカイライトをふんだんに採り入れた明るく開放的な建築。二院制の各議会の議事堂それぞれが、イギリスの議会と同じ緑と赤の色を採用しつつ、それより明るい色にして、緑の方(日本でいえば衆議院に当たるHouse of Representative下院)はユーカリの葉をイメージしているそうです。シートの色が観覧席の上に行くに従って薄くなっていきます。

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一階正面にあるこのホール、入って奥の絵に目が釘付けになりました。実はこれ、オーストラリアの画家Arthur Boydの絵を元にしたタペストリーなのです。近くに行ってよく見てようやく織物だということがわかります。このホール、市民が普通に借りることができるそうです。

キャンベラでのもう一つの感動、大人のホームステイ体験のお話は、次回に。