2012年9月5日水曜日

調査が動き出した最後の2週間

アデレード滞在2週間を残して、急にこちらでの調査が動き出しました。研究計画作成に長くかかってしまった上に、調査対象である幼児教育と子育て支援の統合施設の関係者に最初にコンタクトをとってからの返事待ちが長く、正式の申し込み手続きに進めたのが、3週間前。通常の日数だと許可が下りるのは帰国後になってしまう、という危機的状況。

最初に連絡を取ったのがだいぶ前だったことをアピールしたところ、特別に急いでもらえることになり、それからは、電話などでActive waiting(柔らかな督促)は必要だったものの、かなりテンポよく進み、先週の火曜日にとうとう最終承認。

これを受けて大学の研究倫理手続きもクリアし、子どもセンター(日本に置き換えると、認定こども園と子育て支援センターと男女共同参画エンターをあわせたようなところ)の訪問し、地域や親とせんたーをつなぐプログラム開発の役割をする人にインタビューするという調査を開始しました。電話をかけまくって9件のインタビューのアポ取りに成功。

幼稚園と保育園の両方を併せ持ったところですが、こういった場所をじっくり訪れるのは、自分の子どもたちが幼稚園を卒園して以来か・・。子どもたちがとにかくかわいい(笑)。

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これまで4カ所訪問しましたが、上の写真の庭の様子で分かるように、どこもとても家庭的で温かい感じがするのが印象的です。

あと、3日間で5軒のセンターを訪問。大変ですが、長い待ちぼうけ期間のあと、ついに正式に直接訪問できることにことになり、最後の2週間、とても手応えのある日々を過ごしています。

Farewellモード突入その2(アデレードで知るインドの多様性)


またすっかり間が開いてしまいました。8月23日ごろに投稿したつもりだったのに、失敗していたようです。
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先週末のお話の続きです。日曜日は、ほぼ同じ頃に住み始めたインド人シェアメイト(house mate)Vに、彼の従兄弟の経営するインド料理のレストランに招待してもらいました。

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Lamb Shank

Vの友達1人も合流。初対面でしたが、日本のアニメやロックが好きで、フジロック フェスティバルにも行ったことがあるという人。彼が知っている曲を僕が知らなかったりして、がっかりさせたかも。彼もインド人ですが、Vとは別の地域、言葉も宗教も外見も別。どちらかというと、東アジアの人と思うような顔立ち。インドの北東部は、バングラデシュより東にあり、すぐ隣はミャンマーなので納得です。キリスト教や自然崇拝の土着宗教の信仰する人たちの多い地域らしい。こうしたこと、不勉強にも始めて知りました。

最近シェアハウスに入ってきた別のインド人Rも、また別の地域。彼とは妻子を一時的に母国においてきているという共通点もあって、最近よく話をしている仲です。言語好きの性(さが)で、このRの母語Teluguについていろいろ聞いてみると、どうも日本語と文法が似ている。ウェブで調べてみると、南方のドラヴィダ系の言語は、日本語の助詞のような単語で文法的な役割を変化させる「膠着語」という種類に分類されるらしい。日本語も同じ。語順も似ているようです。

Telugu文字は子音と母音の組み合わせで一つの文字。ただし、よく聞いてみると子音部分と母音部分の組み合わせになっていて、ハングルみたい。

今まで話したことのある人の中で、韓国、トルコ、フィンランド、ハンガリーの言葉は似ているということには気づいていて、実際「膠着語」の説明を見ると例に挙がっているのですが、南インドにも似たようなグループがあるというのは知りませんでした。ドラヴィダ系のアーンドラ朝、世界史で覚えたのを思い出しました。

オーストラリアで生活していると、さまざまな国や地域の人に会うので、地理や歴史を勉強する意欲がわきます(笑)。

2012年8月21日火曜日

Farewellモード突入(その1)

先週末はバンド練習もクラブのサイクリングもなかったかわりに、土日とも知り合いとディナー。アデレード滞在もなんとあと3週間ほどとなってしまい・・お別れを見据えたイベントが入り始めました。

自転車のクラブのメンバーの夫婦のお宅にお誘いいただき、もう一組も一緒に。サイクリングの時は、それほど休憩時間が長いわけでもないので、車通りの少ないところで併走しながらなど、あまりゆっくり話せる訳ではありません。どちらも帰国前に一度ゆっくりとと思ってくださっていたらしく、すてきなお宅と美味しい食事と賑やかなおしゃべりで、楽しいプチお別れ会。(来週最後のサイクリングに参加するつもりですが)

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お邪魔した家は、アデレードへの観光客が一度は行く(と思う)Glenelgの近く。トラムにtikitを載せて輪行です。このあたりは、一番ビーチ沿いは歩行者専用道。一つ内側は、自転車歩行者共用(Shared)。少し離れると、下の写真のように、車道が現れます。帰りは、車のトランクに入れて送ってもらえました。
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この家、知らない人の家ですが、ビーチの見える書斎(?)で読書する優雅な環境。うらやましい。

長くなるので、次の日の様子は次回に。

2012年8月16日木曜日

アデレードの春も桜?と思ったら・・

先週の日曜日は1ヶ月半ぶりにクラブのサイクリングに参加しました。グループでの移動が30キロちょっと、家から駅の往復をあわせて50キロ弱というのは、もう慣れている距離のはずだったのですが、帰ってきたら疲れて椅子からなかなか立ち上がれませんでした。

久しぶりに1日晴天で、春の訪れを感じました。北半球でいえば2月中旬にあたる気候のはずなので、今月いっぱいは冬かと思っていたのですが、アデレードではそろそろ春という認識のようです。

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海岸沿いや緑地では色とりどりのwild flower。

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そして街路樹は、桜?と思って自転車を止め、メンバーに聞いたところ、アーモンドじゃないかな、と。

その後、家の近くの東部郊外でもこの花を発見。家に帰って調べたらやはりアーモンドらしい。桜に似ていると言われているのですね。

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そして、こちらも家の近く。Plum tree。日本の梅と同じなのかどうか分からないのですが、日本の春と同じような風景がこちらで見られるというのは、知りませんでした。

前回の滞在時は、8月下旬に来て3月に帰国しているので、8月前半というのは初体験なのですよね。以前のエントリーを書いたときは、これを知らなかったので、オーストラリアの春はJakarandaとだけ書きました。これでアデレードの季節をだいたい一巡したことになりそうです。

2012年8月14日火曜日

大人のホームステイ in Canberra

誕生日で予想外にいただいたfacebookメッセージに返信していたり、一人誕生日祝いでJazzギタリストJohn Scofieldのコンサートに行ったり、夜に何かしていることが多く、また間が空いてしまいました。昨日こそ書こうと思っていのに、久しぶりのクラブのサイクリングで疲れ果て、とても気力が出ず。

すでに遠い昔の記憶のようになっていますが、Canberraでの体験の続き。

前回書いたように、今回のCanberra訪問の目的としては、オーストラリアの政策に関連する研究をしているからには、首都を一度見ておきたいというのがメインです。ただ、帰国が迫ったいろいろやることも多い中で、それを後押ししたのは、「キャンベラに来ることがあったらうちに泊まっていいよ」と知り合い夫婦が言ってくれていたことでした。

知り合いと行っても、3月にあったAustralian Bike Friday Clubの集まりで宿が同じで、一度一緒に晩ご飯を食べに行ったのと、全体ランチで隣に座って話したくらい。

あちらが海外ツーリングから帰宅直後だったので、一応、「片付けなどで大変だろうから他に泊まるからと」メールで遠慮したものの、「どうぞ泊まって」といってもらったので、厚かましくもお世話になりました。

このご夫婦は、これまでにも日本の中高生の交換留学生のホームステイを受け入れた経験あり、家族での外国滞在経験もあるので、母語以外でのコミュニケーションの大変さを分かってくれる。こちらが分からなくて聞き返すと、ゆっくり、あるいは表現を変えて説明し直してくれるます。多くのネイティブスピーカーは、分からなくて聞き返しても同じスピードで繰り返すだけで、なかなかこういう対応をしてもらうことがないので、とてもありがたい。(日本で英語を教えたことのある人は、たいていとても分かりやすく話してくれますが・・)

Canberraはしばしばa big country townと言われるのを聞きますが、いい意味でまさにその表現がぴったり。アデレード以上に高層建築が少なく、山もすぐ近く。

下の写真は、Civicと呼ばれるビジネスの中心部の様子ですが、超高層のビルはなく範囲もさほど広くはありません。
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こちらの湖の景色は、背中側に前回の記事で書いた連邦議会議事堂(Parliament House)や最高裁判書など国の主要な建物、写真奥の木々の向こうがcivicという場所から撮影したものです。長野の白樺湖かどこか避暑地のような雰囲気です。
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お世話になったお宅も、Civicから歩けるくらいの距離なのに、下の写真の通りとてもゆったりした静かな環境。
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この静かな住宅地の中で、庭で野菜を育て、鶏まで飼って卵を自給。コンポストで堆肥を作りゴミを極力出さない生活。

娘さん夫婦(ともに建築士)は、近くに古い家を買って、自分たちで庭と家の中を週末ごとに直している。娘さんの旦那さんは自宅で仕事をしていて、趣味は古い自転車のフレームを加工してロードバイクとしてよみがえらせること。ガレージをそのための工房にしています。

その娘さん夫婦の家がまだ修理中なので夜は両親宅に泊まっていたりして、日曜は僕も一緒にその作業現場に連れて行ってもらい、オーストラリアのextended familyの日常生活も垣間見ることができました。生き方にこだわりが感じられる二組の夫婦と、平日の夜にもかかわらず、ゆったり夕食と暖炉のそばでの食後の一時を楽しむ。 

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まさに、若い頃にできなかったホームステイをさせてもらった気分。本当に、Bike Friday を通じたこの出会いと、お二人に感謝です。

Canberraと姉妹都市関係にある奈良の名前をとったCanberra Nara Peace Park(下の写真)で、ホストファミリーと散策している日本の中学生の女の子に会いました。この年代のホームステイ。将来どんな記憶として残るのでしょうか。
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2012年8月5日日曜日

オーストラリアの首都はどこでしょう?

なんと半月もご無沙汰してしまいました。7月最後の1週間はメルボルンにあるオーストラリア家族研究所AIFS主催の研究大会に参加した後、5年前を含めてオーストラリア滞在計1年半にして、ようやく首都を訪問。

帰ってきてからは、調査準備の手続きに追われたうえに、MacのOS入れ替えのトラブルで、写真を取り込んだパソコンが立ち上がらなくなったりして、ブログの更新ができませんでした。

今日、ようやく新たなOS Mountain Lionの環境で写真も見られるようになり、更新にこぎ着けたというわけです。

さて、話を戻して、オーストラリアの首都はどこでしょう?

それはもちろんオリンピックの開かれたシドニー、

ではなく

キャンベラCanberraです。 (mではなくnなのが間違えやすい)

オーストラリアの人も、メルボルンやシドニーは仕事や遊びで頻繁に行っても、首都キャンベラにはそれほど頻繁に行くことはなさそう。アデレードから飛行機の便も、あまり多くないです。何しろシドニー都市圏の人口が450万人以上なのに対して、キャンベラは37万弱。日本の中規模の市くらいの人口ですね。


大きな地図で見る

行く前の周囲の意見も、「とてもきれいな街。行くべき」という人と、「何もないよ、何しに行くの?」という人と(笑)。

国の政策を含めたオーストラリアの研究をしているからには、やはり一度はこの目で首都を見てみたいということと、3月に参加したAustralian Bike Friday Clubの集まりで知り合ったキャンベラ在住の夫婦が誘ってくれたのもあって、これが最後のチャンス、と足を伸ばしました。

キャンベラは州には属さず、シドニーのあるニューサウス・ウェールズ州に囲まれたAustralian Capital Territory (ACT)という別の行政区の中にあります。それぞれ独立した植民地(後の州)が連邦を作ることになった際に、どこにも属さない場所として首都を建設したという経緯があります。オーストラリア建国が1901年ですが、首都の場所が決まったのが1908年。その後1912年に都市計画の国際コンペでアメリカ、シカゴの建築家Walter Burley Griffinのデザインが選ばれて都市の建設が始まりました。自然の地形を活かした考え抜かれたデザイン。一見の価値があります。

これだけの大国の首都にして、自然の中の街という感じ。写真を見ても分かりますが、山が近い。滋賀県や三重県の山間部に首都を作ったような雰囲気です。

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そして、今回訪れた施設で個人的に一番印象に残ったのが連邦議会議事堂Parliament House。上の写真、キャンベラの紹介でよく出てくる真正面の構図です。1927年から使われていた旧議事堂に変わって、1988年にオープンしたこの建物、一つ一つの空間・意匠に、オーストラリアの人々、自然に関連する意味が込められています。

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なかでも、案内してくれた友人に説明してもらって感銘を受けたのが、ルーフガーデンに込められた意味。9.11以降のセキュリティの強化で変わってしまったのですが、もともとは麓から芝生のスロープで屋根の上に歩いて行けたそうです(上写真の右端の芝生)。今は中間点に柵が設けられて歩いて直接あがることはできなくなったのですが、建物の中からエレベーターで誰でも上がれます。見学もセキュリティチェックはあるものの、名前を書いたりする必要もありません。

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議事堂の上にあるルーフガーデン(上の写真が頂点部分)に誰でも登れる。これは、議会よりも人々の方が重要であるという考えに基づくものだそうです。

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ルーフガーデンから街を一望。湖の向こう側には住宅地を挟んでMt. Ainslie。麓の戦争記念館(War Memorial)まで一直線に緑地帯などの空間が伸びています。

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全体に、物々しさとは対極にある、スカイライトをふんだんに採り入れた明るく開放的な建築。二院制の各議会の議事堂それぞれが、イギリスの議会と同じ緑と赤の色を採用しつつ、それより明るい色にして、緑の方(日本でいえば衆議院に当たるHouse of Representative下院)はユーカリの葉をイメージしているそうです。シートの色が観覧席の上に行くに従って薄くなっていきます。

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一階正面にあるこのホール、入って奥の絵に目が釘付けになりました。実はこれ、オーストラリアの画家Arthur Boydの絵を元にしたタペストリーなのです。近くに行ってよく見てようやく織物だということがわかります。このホール、市民が普通に借りることができるそうです。

キャンベラでのもう一つの感動、大人のホームステイ体験のお話は、次回に。

2012年7月21日土曜日

映画 The Visitor(扉をたたく人) 音楽で文化の壁を越える

うーん、いい映画でした。友達が勧めてくれたThe Visitor(邦題:扉をたたく人)。

どんな映画かを説明してくれているときに、その友達は「大学の先生が学会発表のためにニューヨークにある自分のアパートに行って、そこに見知らぬ移民がいて・・」などと言ったあとに、"He is like you(おまえみたいだよ)"と。

でも、アメリカ人がニューヨークに行くという話だよね、と確認すると、「そうだけど」・・。僕の場合は外国に来ているから、立場は違うのに、と、ちょっと不思議に思っていました。

先週の日曜は地域の図書館のDVDが2本とも貸し出されていたので、予約しておいたらすぐ後に貸し出しOKの連絡が。今日借りに行けたので、さっそく見てみました。

最初、なんだか学生に愛想のない老教授なので、こんな人と似てるかあ、と思いましたが、だんだん分かってきました。

コネティカット州の瀟洒な郊外住宅に住んでいる大学教授Walter。妻に先立たれて一人寂しく人生に疲れたような彼は、幼い子どものいる共著者の代わりに学会で発表するために、渋々ニューヨークの自分のセカンドハウスであるアパートに行く。そこには、知人にだまされて、他に住人がいるとは知らずに入居してしまっていた移民のカップル(シリア出身の男性とセネガル出身の女性)が。

行くところのない彼らを、とりあえずそのまま住まわせてあげたことから、交流が始まります。シリア人Tarekは、アフリカの太鼓Djembeをジャズクラブなどでバンドとともに演奏するミュージシャン。クラッシック好きのWalterにはまったく縁のなさそうな音楽ですが、無心に身体をリズムのせるDjembeに魅せられて、Tarakに習い始め、一緒に路上パフォーマンスに参加するなど、今まで知らなかった世界を体験しています。

僕の場合、妻は日本でピンピンしていますし(笑)、クラッシックしか聴かないようなタイプではまったくありません。しかし、Walterを見ていると、確かに、音楽を通じて、一回り以上若い友人たちや、今までと違う文化の中にどんどん入っていった、アデレードに来てからの自分と重なるものがありました。

映画の中のWalterにとってアメリカは自分の国ですが、そこに住む(不法滞在の)移民との交流によって、今まで自分と関わりのなかった世界に踏み込んでいきます。

もちろん、アメリカという国にとって「よそ者」がTarakたちだというつらい現実は、ストーリーが進むにつれだんだん見えてきます。

そういう訳で、今の自分の立場が、Walterに重なったり、Tarakたち移民に重なったり。ちょっと複雑ですが、友人がHe is like youと思った理由はよく分かりました。

しかし、そういう僕の特殊事情を除いても、とてもいい映画だと思います。ハリウッド映画のような派手さはないですが、じんわりと沁みてくる、心に残る映画です。

以下の公式Trailer(予告編)は字幕はありませんが、字幕付きのものも探せばすぐ見つかります。



借りたDVDに字幕はありませんでしたが、9割方の台詞は分かったので、英語がだいぶ聞き取れるようになってきていることが感じられたのもうれしい発見でした。少し前に借りたイギリス映画An Educationは半分くらい分からず、ネットで台本を探して肝心なところの台詞がやっと分かったという状態だったので・・。

2012年7月18日水曜日

春の気配?

日本からは暑さの悲鳴が聞こえてきますが、こちらは冬。半年ずらすと日本の1月中旬という時期。しかし、ここ数日、日中、日が出ているとわりとぽかぽか。

シェアハウスの自分の部屋のデスクの目の前の窓からは、庭にあるこちらの黄色い花が鮮やかに見える。そこに日に日に増えるミツバチが一生懸命花の蜜を集めている様子。




真ん中の花の塊の右の青空の見えている部分に、羽ばたいているミツバチが見えると思います。クリックして、さらに拡大してみると、4,5匹は見つかると思いますが、木全体では何十匹といます。

まったく花についての知識に乏しいので、この花がなんだか分からない。そこで、yellow small flowers australia beeなどのキーワードで調べてみました。最初は、オーストラリアの国歌Golden Wattleかと思ったのですが、葉っぱの形が違う。

あれこれ工夫をして調べて、判明。ギンヨウ(銀葉)アカシア。学名はAcacia baileyana, 英語での一般名は Cootamundra Wattleだそうです。Golden Mimosaともいうようです。

関西ではこれをミモザと呼んでいるという記述も。

狭義のmimosaはフサアカシア(Acacia dealbata = silver wattle = mimosa)のようで、そっくりですが、葉っぱの小さい羽のような形の複葉の数がもっと多いのだそうです。

どちらもオーストラリア原産で、こちらのオーストラリア国立植物園のサイトに、100種類くらいのアカシアのリストがあります。


2012年7月15日日曜日

自転車(tikit)のスピードや登坂性の違いを生み出すもの

久しぶりにBike Friday tikitの話題です。

僕自身は、1年くらい前から初めて本格的に折りたたみ自転車について調べたり、実際にtikitを買って長距離サイクリングをするようになったばかりの駆け出しで、メカにも強い方ではありません。

ですので、今から書くのは自転車に詳しい方には当たり前の情報だと思います。1年前の僕のように、自転車、特に折り畳み自転車、さらにいえばtikitに関心があるけど、選択肢が多すぎて何を見ていいか分からないというかた向けのものです。

前にブログに少し書きましたが、先週末、アデレードで知っている自分以外の唯一のtikit乗りJohn(仮名:笑)と二人でサイクリングしました。Johnは、普段のグループライドではtikitは乗らないというので、自分のtikitでもきついような坂を普段上っているのかなあと思っていました。

同じ8段変速でも


僕もJohnも8段変速ギアのtikitです。

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併走しながら、Johnが「それ1速か」?と聞いてきました。しかし、僕は2速、彼は1速だということでした。それで実験しようということになって、Johnが1速、僕は2速にして、同じスピードで走ってみると、ペダルの回転(ケーデンス)がだいたい同じ。逆に彼が8速の一番重いギアにして、僕が7速で同じスピードに調節すると、だいたい同じペダルの回転。ということで、どうやら二人のtikitは同じ8段変速でも、重い方と軽い方両方で、もう一段分ずつ僕のtikitの方が余裕がある。

ちなみにJohnのは、後ろの8枚のギアがすべてむき出しの外装ギア、僕のは大きな銀色のはこの中に変速機部分が隠れた(中身は見たことありません)内装ギアです。

その後、かなりの斜面で彼が手で押しているところでも、僕は特に問題なく漕いで登れる。

おそらく大きな違いは、このギア比と、タイヤの違いだと思います。僕の方は、ロードバイクについているものに近い細めで溝がないタイプのもので、かつ高圧です。圧力が加わったときにタイヤがたわむことによるエネルギーロス(転がり抵抗)が少ないのです。

これは、レンタルで借りていたマウンテンバイクから今のtikitの乗り換えたときに、大きく違いを感じた点です。

もちろん、これ以外に体重の違いもあるだろうとは思いますが、自転車側の要因としてはこんなところが大きいと思われます。

僕のtikitで、意外に他の人の20段変速以上の自転車と同じような起伏のコースを走れるのは、こうしたことが影響しているようです。

ギア比に影響を与えるのは

なお、先に書いたギヤ比に影響を与えるのは、後輪のギアだけを変速する3から8段変速程度の自転車などの場合、ギア本体以外に、ペダルの根元についている歯車(チェーンリング)、そして内装ギアの場合、ギア本体の外側でチェーンにつながっている歯車(cog)のサイズ(歯の数)も影響します。

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ペダル側の歯車が大きくなればなるほど、そして後輪側の歯車が小さくなればなるほど、重くなる。つまり同じペダルの回転で、速く走れるようになります。

上の写真チェーンリング、通常のサイズの自転車と比べると、ずいぶん大きなものがついています。

16インチという小さいタイアのtikitに乗っていると、「たくさん漕がなきゃいけないんでしょ?」とよく聞かれるのですが、こうしたギア比の調整で、ロードバイクとまでは行きませんが、それなりのクロスバイクと同等ぐらいの対応能力はあるようです。

ガソリンなどの動力を使わず、人間の足の力だけで、高速で長距離移動ができる自転車は本当に奥が深いと思います。

おまけ


細かいデータを知りたい方のために、スピード効率に影響を与えそうなパーツのスペックを書いておきます。

クランク、ボトムブラッケット、チェーンリング

Driveline 2-piece single/guard, 53T, 170mm

Cassettte (内装ギアの場合は外側に出ているチェーンの巻かれた歯車と周辺パーツ)

 Nexus 7/8 16 tooth cog Shimano 3/32"

ギア 

内装((Internal) Hub gear)Shimano Nexus Inter-8 36o (135)SG-8R-36 Red


タイヤ 

Schwalbe Kojak 16 x 1 1/4" (349) non-folding



2012年7月13日金曜日

頻出英単語 actually、ついでにCobuild英英辞典

中学か高校で覚えた単語の中で、日常会話でもよく出てくる単語、かつ日本語に置き換えづらい単語の一つに、”actually”があります。

受験時代に、この単語といつも区別が難しかったのが、

in fact

as a matter of fact


これの使い分けの設問というのはなかったと思うのですが、英和辞典の詳しい説明を見てもいまいち分からないですね。

in factとas a matter of factはあまり会話で聞かないのですが、actuallyはよく出てくるので、ニュアンスをつかめた方がいいと思います。

少し前に実際に経験した、研究所でのある場面。

僕がトーストをちょっと焦がして、においを共有スペースに充満させてしまいました。その前にも何度かやってます。

Jさん:You burnt the toast again!?

僕:Sorry! I’ve turned on the fan.

Jさん:It's a nice smell, actually.

受験勉強では、Actually, however, …という例文で、「しかし実際は」と逆説のニュアンスを覚えていました。

でも会話ではそんな固いニュアンスではないので、もう少しうまい訳を考えてみましょう。

「でも、いいにおいよ」

という感じでしょうか。

butほどはっきりした逆説ではないけど、前の言葉からすると意外なことを言おうとするとき。

Cobuild英英辞典


買ったばかりのiPhone版Collins Cobuild英英辞典(物書堂)の説明が、僕が会話の中で感じているニュアンスにぴったりということを今発見しました。

語義の3番目

You can use actually when you are politely expressing an opinion that other people might not have expected from you.

(相手が予想していなかったかもしれない意見を丁寧に(気を配りながら)伝えるときに、actuallyを使うこともある。)


例文

”Do you think it’s a good idea to socialize with one’s patients?”

Actually, I do, I think it’s a great idea.”

英和辞典にあった、不満や反論というマイナスのニュアンスだけではないと思っていたのですが、これです!

プラスでもマイナスでも相手にとって「予想外」の発言をするときに使うんですよね。

例文も、意外な反応という程度で。反論というニュアンスではないと思います。


もう一つ、これもあるあると思ったのが4番目の語義

You use actually to introduce a new topic into a conversation.

会話に新しいトピックを持ち込むときにactuallyを使う。 

例文

Well actually, John, I called you for some advice.

(えっと実はね、ジョン。アドバイスが欲しくて電話したんだ。 )

このCobuil英英辞典、SIIの電子辞書に入っていて、使いやすいなとは思っていたのですが、最近は持ち歩いているiPhoneのアプリで間に合うので(使っている辞書はこちら)、普段あまり使っていませんでした。しかし、使いやすい辞書アプリを沢山出している物書堂からつい最近発売されたので、早速購入。やはり、いいですね。単語の置き換えではなく、どういう場面、どういう気持ちの時に使うのか、という形で説明してくれるのです。

ネイティブ向けの英英辞典だと、元の単語が簡単であればあるほど、説明の単語が難しくなって、また単語を調べなく手はいけなくなりますが、Cobuildはとても優しい単語で解説してくれている。そして物書堂さんのアプリならでは、単語をなぞれば英和辞典(別売)にジャンプして日本語の説明を見ることもできます。 

こういった微妙なニュアンス、会話のパターンを沢山経験してつかむのが一番ですが、こうした英英辞典も有効ですね。