中学か高校で覚えた単語の中で、日常会話でもよく出てくる単語、かつ日本語に置き換えづらい単語の一つに、”actually”があります。
受験時代に、この単語といつも区別が難しかったのが、
in fact
as a matter of fact
これの使い分けの設問というのはなかったと思うのですが、英和辞典の詳しい説明を見てもいまいち分からないですね。
in factとas a matter of factはあまり会話で聞かないのですが、actuallyはよく出てくるので、ニュアンスをつかめた方がいいと思います。
少し前に実際に経験した、研究所でのある場面。
僕がトーストをちょっと焦がして、においを共有スペースに充満させてしまいました。その前にも何度かやってます。
Jさん:You burnt the toast again!?
僕:Sorry! I’ve turned on the fan.
Jさん:It's a nice smell,
actually.
受験勉強では、Actually, however, …という例文で、「しかし実際は」と逆説のニュアンスを覚えていました。
でも会話ではそんな固いニュアンスではないので、もう少しうまい訳を考えてみましょう。
「でも、いいにおいよ」
という感じでしょうか。
butほどはっきりした逆説ではないけど、前の言葉からすると意外なことを言おうとするとき。
Cobuild英英辞典
買ったばかりの
iPhone版Collins Cobuild英英辞典(物書堂)の説明が、僕が会話の中で感じているニュアンスにぴったりということを今発見しました。
語義の3番目
You can use
actually when you are politely expressing an opinion that other people might not have expected from you.
(相手が予想していなかったかもしれない意見を丁寧に(気を配りながら)伝えるときに、actuallyを使うこともある。)
例文
”Do you think it’s a good idea to socialize with one’s patients?”
“
Actually, I do, I think it’s a great idea.”
英和辞典にあった、不満や反論というマイナスのニュアンスだけではないと思っていたのですが、これです!
プラスでもマイナスでも相手にとって「予想外」の発言をするときに使うんですよね。
例文も、意外な反応という程度で。反論というニュアンスではないと思います。
もう一つ、これもあるあると思ったのが
4番目の語義。
You use
actually to introduce a new topic into a conversation.
会話に新しいトピックを持ち込むときにactuallyを使う。
例文
Well actually, John, I called you for some advice.
(えっと実はね、ジョン。アドバイスが欲しくて電話したんだ。 )
このCobuil英英辞典、SIIの電子辞書に入っていて、使いやすいなとは思っていたのですが、最近は持ち歩いているiPhoneのアプリで間に合うので(使っている辞書は
こちら)、普段あまり使っていませんでした。しかし、使いやすい辞書アプリを沢山出している物書堂からつい最近発売されたので、早速購入。やはり、いいですね。単語の置き換えではなく、どういう場面、どういう気持ちの時に使うのか、という形で説明してくれるのです。
ネイティブ向けの英英辞典だと、元の単語が簡単であればあるほど、説明の単語が難しくなって、また単語を調べなく手はいけなくなりますが、Cobuildはとても優しい単語で解説してくれている。そして物書堂さんのアプリならでは、単語をなぞれば英和辞典(別売)にジャンプして日本語の説明を見ることもできます。
こういった微妙なニュアンス、会話のパターンを沢山経験してつかむのが一番ですが、こうした英英辞典も有効ですね。