2012年7月21日土曜日

映画 The Visitor(扉をたたく人) 音楽で文化の壁を越える

うーん、いい映画でした。友達が勧めてくれたThe Visitor(邦題:扉をたたく人)。

どんな映画かを説明してくれているときに、その友達は「大学の先生が学会発表のためにニューヨークにある自分のアパートに行って、そこに見知らぬ移民がいて・・」などと言ったあとに、"He is like you(おまえみたいだよ)"と。

でも、アメリカ人がニューヨークに行くという話だよね、と確認すると、「そうだけど」・・。僕の場合は外国に来ているから、立場は違うのに、と、ちょっと不思議に思っていました。

先週の日曜は地域の図書館のDVDが2本とも貸し出されていたので、予約しておいたらすぐ後に貸し出しOKの連絡が。今日借りに行けたので、さっそく見てみました。

最初、なんだか学生に愛想のない老教授なので、こんな人と似てるかあ、と思いましたが、だんだん分かってきました。

コネティカット州の瀟洒な郊外住宅に住んでいる大学教授Walter。妻に先立たれて一人寂しく人生に疲れたような彼は、幼い子どものいる共著者の代わりに学会で発表するために、渋々ニューヨークの自分のセカンドハウスであるアパートに行く。そこには、知人にだまされて、他に住人がいるとは知らずに入居してしまっていた移民のカップル(シリア出身の男性とセネガル出身の女性)が。

行くところのない彼らを、とりあえずそのまま住まわせてあげたことから、交流が始まります。シリア人Tarekは、アフリカの太鼓Djembeをジャズクラブなどでバンドとともに演奏するミュージシャン。クラッシック好きのWalterにはまったく縁のなさそうな音楽ですが、無心に身体をリズムのせるDjembeに魅せられて、Tarakに習い始め、一緒に路上パフォーマンスに参加するなど、今まで知らなかった世界を体験しています。

僕の場合、妻は日本でピンピンしていますし(笑)、クラッシックしか聴かないようなタイプではまったくありません。しかし、Walterを見ていると、確かに、音楽を通じて、一回り以上若い友人たちや、今までと違う文化の中にどんどん入っていった、アデレードに来てからの自分と重なるものがありました。

映画の中のWalterにとってアメリカは自分の国ですが、そこに住む(不法滞在の)移民との交流によって、今まで自分と関わりのなかった世界に踏み込んでいきます。

もちろん、アメリカという国にとって「よそ者」がTarakたちだというつらい現実は、ストーリーが進むにつれだんだん見えてきます。

そういう訳で、今の自分の立場が、Walterに重なったり、Tarakたち移民に重なったり。ちょっと複雑ですが、友人がHe is like youと思った理由はよく分かりました。

しかし、そういう僕の特殊事情を除いても、とてもいい映画だと思います。ハリウッド映画のような派手さはないですが、じんわりと沁みてくる、心に残る映画です。

以下の公式Trailer(予告編)は字幕はありませんが、字幕付きのものも探せばすぐ見つかります。



借りたDVDに字幕はありませんでしたが、9割方の台詞は分かったので、英語がだいぶ聞き取れるようになってきていることが感じられたのもうれしい発見でした。少し前に借りたイギリス映画An Educationは半分くらい分からず、ネットで台本を探して肝心なところの台詞がやっと分かったという状態だったので・・。

2012年7月18日水曜日

春の気配?

日本からは暑さの悲鳴が聞こえてきますが、こちらは冬。半年ずらすと日本の1月中旬という時期。しかし、ここ数日、日中、日が出ているとわりとぽかぽか。

シェアハウスの自分の部屋のデスクの目の前の窓からは、庭にあるこちらの黄色い花が鮮やかに見える。そこに日に日に増えるミツバチが一生懸命花の蜜を集めている様子。




真ん中の花の塊の右の青空の見えている部分に、羽ばたいているミツバチが見えると思います。クリックして、さらに拡大してみると、4,5匹は見つかると思いますが、木全体では何十匹といます。

まったく花についての知識に乏しいので、この花がなんだか分からない。そこで、yellow small flowers australia beeなどのキーワードで調べてみました。最初は、オーストラリアの国歌Golden Wattleかと思ったのですが、葉っぱの形が違う。

あれこれ工夫をして調べて、判明。ギンヨウ(銀葉)アカシア。学名はAcacia baileyana, 英語での一般名は Cootamundra Wattleだそうです。Golden Mimosaともいうようです。

関西ではこれをミモザと呼んでいるという記述も。

狭義のmimosaはフサアカシア(Acacia dealbata = silver wattle = mimosa)のようで、そっくりですが、葉っぱの小さい羽のような形の複葉の数がもっと多いのだそうです。

どちらもオーストラリア原産で、こちらのオーストラリア国立植物園のサイトに、100種類くらいのアカシアのリストがあります。


2012年7月15日日曜日

自転車(tikit)のスピードや登坂性の違いを生み出すもの

久しぶりにBike Friday tikitの話題です。

僕自身は、1年くらい前から初めて本格的に折りたたみ自転車について調べたり、実際にtikitを買って長距離サイクリングをするようになったばかりの駆け出しで、メカにも強い方ではありません。

ですので、今から書くのは自転車に詳しい方には当たり前の情報だと思います。1年前の僕のように、自転車、特に折り畳み自転車、さらにいえばtikitに関心があるけど、選択肢が多すぎて何を見ていいか分からないというかた向けのものです。

前にブログに少し書きましたが、先週末、アデレードで知っている自分以外の唯一のtikit乗りJohn(仮名:笑)と二人でサイクリングしました。Johnは、普段のグループライドではtikitは乗らないというので、自分のtikitでもきついような坂を普段上っているのかなあと思っていました。

同じ8段変速でも


僕もJohnも8段変速ギアのtikitです。

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併走しながら、Johnが「それ1速か」?と聞いてきました。しかし、僕は2速、彼は1速だということでした。それで実験しようということになって、Johnが1速、僕は2速にして、同じスピードで走ってみると、ペダルの回転(ケーデンス)がだいたい同じ。逆に彼が8速の一番重いギアにして、僕が7速で同じスピードに調節すると、だいたい同じペダルの回転。ということで、どうやら二人のtikitは同じ8段変速でも、重い方と軽い方両方で、もう一段分ずつ僕のtikitの方が余裕がある。

ちなみにJohnのは、後ろの8枚のギアがすべてむき出しの外装ギア、僕のは大きな銀色のはこの中に変速機部分が隠れた(中身は見たことありません)内装ギアです。

その後、かなりの斜面で彼が手で押しているところでも、僕は特に問題なく漕いで登れる。

おそらく大きな違いは、このギア比と、タイヤの違いだと思います。僕の方は、ロードバイクについているものに近い細めで溝がないタイプのもので、かつ高圧です。圧力が加わったときにタイヤがたわむことによるエネルギーロス(転がり抵抗)が少ないのです。

これは、レンタルで借りていたマウンテンバイクから今のtikitの乗り換えたときに、大きく違いを感じた点です。

もちろん、これ以外に体重の違いもあるだろうとは思いますが、自転車側の要因としてはこんなところが大きいと思われます。

僕のtikitで、意外に他の人の20段変速以上の自転車と同じような起伏のコースを走れるのは、こうしたことが影響しているようです。

ギア比に影響を与えるのは

なお、先に書いたギヤ比に影響を与えるのは、後輪のギアだけを変速する3から8段変速程度の自転車などの場合、ギア本体以外に、ペダルの根元についている歯車(チェーンリング)、そして内装ギアの場合、ギア本体の外側でチェーンにつながっている歯車(cog)のサイズ(歯の数)も影響します。

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ペダル側の歯車が大きくなればなるほど、そして後輪側の歯車が小さくなればなるほど、重くなる。つまり同じペダルの回転で、速く走れるようになります。

上の写真チェーンリング、通常のサイズの自転車と比べると、ずいぶん大きなものがついています。

16インチという小さいタイアのtikitに乗っていると、「たくさん漕がなきゃいけないんでしょ?」とよく聞かれるのですが、こうしたギア比の調整で、ロードバイクとまでは行きませんが、それなりのクロスバイクと同等ぐらいの対応能力はあるようです。

ガソリンなどの動力を使わず、人間の足の力だけで、高速で長距離移動ができる自転車は本当に奥が深いと思います。

おまけ


細かいデータを知りたい方のために、スピード効率に影響を与えそうなパーツのスペックを書いておきます。

クランク、ボトムブラッケット、チェーンリング

Driveline 2-piece single/guard, 53T, 170mm

Cassettte (内装ギアの場合は外側に出ているチェーンの巻かれた歯車と周辺パーツ)

 Nexus 7/8 16 tooth cog Shimano 3/32"

ギア 

内装((Internal) Hub gear)Shimano Nexus Inter-8 36o (135)SG-8R-36 Red


タイヤ 

Schwalbe Kojak 16 x 1 1/4" (349) non-folding



2012年7月13日金曜日

頻出英単語 actually、ついでにCobuild英英辞典

中学か高校で覚えた単語の中で、日常会話でもよく出てくる単語、かつ日本語に置き換えづらい単語の一つに、”actually”があります。

受験時代に、この単語といつも区別が難しかったのが、

in fact

as a matter of fact


これの使い分けの設問というのはなかったと思うのですが、英和辞典の詳しい説明を見てもいまいち分からないですね。

in factとas a matter of factはあまり会話で聞かないのですが、actuallyはよく出てくるので、ニュアンスをつかめた方がいいと思います。

少し前に実際に経験した、研究所でのある場面。

僕がトーストをちょっと焦がして、においを共有スペースに充満させてしまいました。その前にも何度かやってます。

Jさん:You burnt the toast again!?

僕:Sorry! I’ve turned on the fan.

Jさん:It's a nice smell, actually.

受験勉強では、Actually, however, …という例文で、「しかし実際は」と逆説のニュアンスを覚えていました。

でも会話ではそんな固いニュアンスではないので、もう少しうまい訳を考えてみましょう。

「でも、いいにおいよ」

という感じでしょうか。

butほどはっきりした逆説ではないけど、前の言葉からすると意外なことを言おうとするとき。

Cobuild英英辞典


買ったばかりのiPhone版Collins Cobuild英英辞典(物書堂)の説明が、僕が会話の中で感じているニュアンスにぴったりということを今発見しました。

語義の3番目

You can use actually when you are politely expressing an opinion that other people might not have expected from you.

(相手が予想していなかったかもしれない意見を丁寧に(気を配りながら)伝えるときに、actuallyを使うこともある。)


例文

”Do you think it’s a good idea to socialize with one’s patients?”

Actually, I do, I think it’s a great idea.”

英和辞典にあった、不満や反論というマイナスのニュアンスだけではないと思っていたのですが、これです!

プラスでもマイナスでも相手にとって「予想外」の発言をするときに使うんですよね。

例文も、意外な反応という程度で。反論というニュアンスではないと思います。


もう一つ、これもあるあると思ったのが4番目の語義

You use actually to introduce a new topic into a conversation.

会話に新しいトピックを持ち込むときにactuallyを使う。 

例文

Well actually, John, I called you for some advice.

(えっと実はね、ジョン。アドバイスが欲しくて電話したんだ。 )

このCobuil英英辞典、SIIの電子辞書に入っていて、使いやすいなとは思っていたのですが、最近は持ち歩いているiPhoneのアプリで間に合うので(使っている辞書はこちら)、普段あまり使っていませんでした。しかし、使いやすい辞書アプリを沢山出している物書堂からつい最近発売されたので、早速購入。やはり、いいですね。単語の置き換えではなく、どういう場面、どういう気持ちの時に使うのか、という形で説明してくれるのです。

ネイティブ向けの英英辞典だと、元の単語が簡単であればあるほど、説明の単語が難しくなって、また単語を調べなく手はいけなくなりますが、Cobuildはとても優しい単語で解説してくれている。そして物書堂さんのアプリならでは、単語をなぞれば英和辞典(別売)にジャンプして日本語の説明を見ることもできます。 

こういった微妙なニュアンス、会話のパターンを沢山経験してつかむのが一番ですが、こうした英英辞典も有効ですね。

2012年7月10日火曜日

研究者のための時間管理ワークショップ その1(メール編)

前回のエントリで少し触れましたが、先週の金曜日、自分が在籍する大学で開かれた研究者のための時間管理ワークショップに参加してきました。

本来客員は対象外のようですが、問い合わせたらOKになったのです。結論をいうと、本当に行ってよかった。もう少し滞在の前半で参加しておきたかった!という感想。

印象に残ったことを、まとめておきますが、長くなりそうなので、何回かに分けます。 

研究者や大学の教員だけでなく、比較的自分で時間をコントロールしながら何かの執筆をするという仕事の方であれば、同じようなことが当てはまると思います。

研究者にとっての時間管理の悩み


講座のタイトルはTime Management Workshop for Researchers。

講師はHugh Kearns。同じアデレードにあるFlinders大学(宇宙飛行士の毛利衛さんはここの大学院で学位取得)を拠点に、世界中の大学で研究者向けのワークショップに飛び回っている方のようです。

Hughさんについての情報はこちらこちら

僕は、自分の研究関心が子育て期の仕事と生活という以上に、古くは『知的生産の技術』から始まって、超・整理法、超・時間法、最近ではDavid AllenのGetting Things Done(GTD)まで、かなりのLife Hackオタクなので、タイムマネージメントのノウハウはあれこれ調べてきました。(こちらのエントリなど)
しかし、最近のものはどちらかというとビジネスパーソンを想定していることが多いので、大学教員のような仕事に本当に当てはまるのか、半信半疑でちょっとやっては忘れてしまったり、きちんと身につかず挫折したり、という感じでした。(役に立っているものも沢山ありますが)

なので、解決の方法として今日あげられたものには、これまでどこかで読んだ内容も多く含まれていました。

それでも、とても力になったと思ったのは、やはり今日のワークショップが自分と同じ立場の人たちをターゲットにしていたこと。参加者は、大学の教員またはティーチングをしながら博士論文を執筆している人たち。

出てくる参加者の悩みやHughさんがあげる事例も、授業(準備)・会議・学生の相手・同僚との立ち話などのなかで、どうやって研究時間を捻出するかというもの。さらに小さい子どものいる人たちも多いようで、母親父親としての役割との葛藤も話題に。

生活も充実させつつ生産性が高いように見えるオーストラリアの大学教員も、同じ悩みを抱えているんだなあというのが、一つの発見。でも、みんなのディスカンションでの様子を聞いていると、やはり割り切りは上手な気がしました。

朝一番のメールチェックはしない


Hughさんが一番強調されていたのは、朝イチでemailをチェックするのはやめるということ。僕のようなemail依存には耳の痛い指摘。

対策としてあげられていたのは、午後などの決まった時間を手帳に書き込んでおいて、その時間だけEmail対応にあて、その時以外はメールソフトも閉じておく。緊急のメールが心配かもしれないが、「大丈夫、あなたはそんなに重要じゃない(笑)」と。決まった時間で対応しきれなくてもいったん終了して、次の決まった時間に(場合によっては次の日回し)。

メールがたまってしまうかもしれないけれど、そのうちいくつかは、その間に本人あるいは他の人が解決している可能性がある。そうしたら、一つの用件分、時間を節約できたことになります。自分がいないと回らないと考えるのは、企業でも長時間労働や育児休業や有給休暇の取りづらさの原因としても、よくあげられますよね。

Control people’s expectationという表現を使っていたと思いますが、休暇中のEmailの不在通知などを設定して、相手にすぐの返事を期待させないようにする。こうしたことも、自分の心配を和らげる方法の一つだと。確かに、こちらの大学では、かなりの事務職員も教員もが短い休暇でも不在通知を活用しています。

よっぽど緊急連絡が心配なら、別のアカウントを作って、それだけ自動受信するという方法もあげてられいましたが、そこまでやるかどうかは別として、それだけEmailに邪魔されないことを重視しているのだな、というのが強く印象に。以前このブログで紹介したLife Hackersにも同様のことは書かれて、ある程度意識はしていたのですが、このワークショップであそこまで強調されていたことで、自分の中でも優先度があがりました。

3つのフォルダを使った整理法のおかげで、メールをためても見落としがないようにできているので、この方法はある程度徹底できそう。

フィルタの活用 


ただ、ソフトや本の宣伝メールがたくさん来て、それをアーカイブに回す作業だけでも時間がかかるので、今回の講座でヒントをもらったフィルタの活用を取り入れました。


Gmailの設定メニューの「フィルタ」設定から、頻繁に来るアドレスからの宣伝メールがメールボックスに入らず直接アーカイブの「宣伝メール」フォルダに行くように設定。ときどき役に立つ情報があるので、完全に停止するのはちょっとためらわれるのですが、時間のあるときにちらっと見れば十分。これで、受信箱の処理がだいぶ楽になりました。

次回は「ノーといえる技術」についてのお話。その前に、Hughさんに詳しく紹介することの了承を得ておこうと思っています。

配布された資料のPDFがこちらにあるので、ご覧ください。

論文を仕上げるつもりで朝早く大学へ。
まず10分くらいでメールを片付けてこうかな。
ああ、会議の時間だ、私の午前はどこへ??

など、ここに出てくる大学教員の一日を見ていると、自分のことを見てたのかという気になるかもしれません。

日本の大学教員より時間は早い時間帯にずれていますが・・・。

2012年7月8日日曜日

週末いろいろ

先週金曜は、研究者のための時間管理講座(Time Management Workshop for Researchers)に参加して、とても大きな経験。自分も、関連本は数多く読み、いわゆるワークライフバランス関連(ワーク・ライフ・インテグレーションという見方にこだわっていますが)の市民講座をしたりしているものの、大学の研究者向けのこのようなワークショップは初めて。これは、後日、改めて報告します。

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土曜は、朝から夕方まで、3月のBike Friday gathering で知り合ったアデレードのtikit乗りと再会サイクリング。tikit2台なので、間に相手の車(小型4WD)の荷室と後席に載せて、丘から海へ移動。快適なサイクリングでした。しかも、この人と僕の子どもが、同じ年同じ月生まれで、前回滞在時アデレードで同じ小学校に通っていたという偶然。こちらは移民向けクラス(New arrivals program)だったので、接触があったかどうかは分かりませんが、3月にあったときにあまりの偶然に驚きました。

そんなつながりで、途中で懐かしい小学校に連れて行ってくれました。子どもたちに写真を送ったけど、覚えてはいないだろうなあ。
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平屋の校舎が点在する、のどかな小学校。

夕方になってtikitを車に積む準備を始めた頃、別の友人(といってもいつもの顔ぶれですが)から

「AFL(フットボールのトップリーグ)のアデレードのチーム同士の試合でShowdownといわれてる特別な試合。みんなでテレビ見るからこい。cultural experienceだ!」

と電話があったので参戦することに。途中まで車に乗せてもらい、残りを自転車。これもtikitならでは。

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通り道にあった高校のグラウンド。広大なので夕焼けの空が美しい。

そして、友人宅で自家製ピザパーティとあいなりました。自転車好きも多くツールドフランスも途中まで観戦。

昨晩はかなり冷え込んでいて、5度前後の寒さの中、自転車で帰ってきたのですが、住宅街を走っていると断続的に突然暖かい空気に包まれる。何だろうと考えて気づいたのは、煙突から出てくる暖炉の熱。冬に外が暖まる暖房というのは考えたこともありませんでした。家の暖房としての熱効率は悪いのかもしれませんが、外にいる人にはうれしい暖かさです。

そして、今日は日曜ですが、明日に締め切りが迫った研究倫理審査の応募書類作り。

などなど、盛りだくさんの週末でした。オーストラリア生活の終わりが見えてきて、やり残したことがあれこれ頭に浮かんでくる日々です・・。

2012年7月5日木曜日

The Wire全シーズン見終わった!

もう2週間くらい前になりますが、5月から見始めた(以前のブログエントリ参照)アメリカのケーブルテレビチャンネルHBOのドラマThe Wire、5シーズン分全60話、見終わりました。

英語は相変わらず、すごいボルティモア・アクセントや、いろいろな社会層、職業ごとの隠語で、聞き取るのはかなり困難、字幕をつけていてもときどき止めて読み直さないと、すんなり頭に入ってこないという状態。それでも、辞書やウェブのUrban Dictionaryを使わなくても何とか筋を追うことはできるようになっていきました。

周りの友達がaddictive(中毒になる)ドラマといっていたとおり、内容に引き込まれる。基本的には1日1話(1時間)ずつ見ましたが、週末などついつい2話見てしまったり。

基本的にドラッグと殺人事件を中心に展開するので警察が中心なのですが、単なる「悪者退治」ではない。警察も含め、何かしら社会構造的な問題を抱えているものとして描かれます。警察の組織(市と郡と連邦)の他、市と州の政治家、スラムの若者ドラッグディーラー、学校、港湾労働者、ヨーロッパ系移民の黒幕、新聞社の社員。それぞれの組織の中で、覚えきれないくらい沢山登場するキャラクターそれぞれも、個性的かつ話が進むにつれ様々な面を見せていく。信念を持っている人も、数字の達成の必要に迫られて変わらざるをえなくなる。明らかな加害者であっても、ある面では被害者でもあるという具合で、いろいろなキャラクターに対して、どこかしら感情移入できてしまいます。

これを見てから、ここオーストラリアや日本でメディアやSNSで取り上げられるさまざまな問題に触れるたびに、The Wireのどこかのエピソードを思い出すくらい、現代社会の重要な問題がすべて詰め込まれたようなドラマです。

日本ではスーパー!ドラマTVというCSのチャンネルで2008-9年に放送されただけで、今見ようと思うと、どうも輸入物の日本語字幕なしのDVDしかなさそうなのが、残念。それでも、ある程度英語字幕を調べながら見る気力のある人であれば、価値がある気がします。字幕なしで理解できないことはほぼ確実ですが、アメリカ人でもそうらしいので、かえって安心です(笑)。

血の出るシーンがまったくだめな人にはお勧めできませんが、内容的には一押しですよ。

2012年7月4日水曜日

頻出英単語

オーストラリア人と会話していて、自分はあまり使ったことがないけど、しょっちゅう耳にする単語、apparently。

受験では、形容詞apparentは「明らかな」という意味なのに、副詞apparentlyになると、「明らかに」ではなく「一見すると」という意味になるので要注意、ということで覚えた記憶はあります。

でも、あまり自分が使うことはありませんでしたので、会話の中で使われると一瞬考えてしまいます。

自分なりの理解はこんな感じです。

この単語と対照的な(「反対」とはいいにくい)単語がobviously。(この単語を書き始めた0.5秒後くらいにイヤフォンで聞いているツールドフランスのアナウンサーがobviouslyといったのでびっくり・・。こういうことときどきありますね)

It is obviousとIt is apparentはどちらも、同じような意味を持つのですが、副詞になると・・。

obviously 「明らかに」、「もちろん」。つまり、はっきりしている、確信している様子を表しています。

apparently 「どうも・・らしい」「どうやら・・らしい」と曖昧な推測。「どうも・・(している)みたいだね」というニュアンスでしょうか。

とういことで、この2つの単語に込められている確かさの違いを理解しておくと、会話のニュアンスが分かりやすくなりますよ。

2012年7月3日火曜日

アデレードの街並みいろいろ

先日のエントリーで、アデレードの中でも歴史の長い広めの区画の住宅地の写真を紹介しましたが、昨日のサイクリングで通った地域は、初めて見るところも多かったので、前とは違った街並みを紹介しておきます。

こちらは、ノースアデレードのゴルフコース。アデレードという都市が最初に作られたとき、政治機能を中心とするアデレード(シティ)と住宅機能を中心とするノースアデレードに区分され、それぞれの周りを緑地帯で囲みました。この二つが狭い意味でのCity of Adelaideの行政区。今の広義のアデレード(都市圏)は、その緑地帯の外側に大きく広がっています。

この古くからの住宅地区ノースアデレードの西半分を取り囲んでいるのが、下の写真のNorth Adelaide Golf Course

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市営の施設なので、お手頃価格。短い方(Par 69)のNorth Courseで週末$25.50平日$22、長い方(Par 71)のSouth Courseで$31.50/$26です。シティのすぐ近くにこの環境。



大きな地図で見る
上から見るとこんな感じ。マイナスをクリックしていくとシティーとノースアデレード全体の様子が分かります。

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次の写真はノースアデレードのさらに外側、北西部の比較的新しめの住宅地。新しい開発でも、必ずこうした大きめの緑地帯reserveが作られ、その中に柵で囲まれた遊具のあるPlaygroundがあることも多いです。この写真では見づらいですが、クリックしてflickrに飛び、写真の上のfull screenをクリックして拡大すると奥の方にplaygroundが見えます。


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次はCityの中央近くにある、アデレードの地方紙Advertiser本社の真新しいデザインと、1928-9年代に火災保険会社として建てられたAustralian Heritage(
重要文化財?) Woodards Houseの威容の美しい対照です。このWoodards House、今調べたらSACEという英語学校が入っているようですね。日本語のサイトがありました。これは便利な場所。



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最後のこちらは、Cityの中でも住宅の比較的多い南東の地区の路地。ときどき近くは通っていましたが、ふと見たらなぜかちょっと日本風に見える。昔住んでいた三重県松阪市の松阪城址前の御城番屋敷を思い出しました。さすがにシティの中の古くからの住宅は、郊外のような広大な家ではなく長屋(テラスハウス?)的な作り。京都の町家みたいでもありますね。

以上、アデレードの街並みいろいろ、でした。もう滞在も残り2ヶ月ちょっと、日々の経験がとても貴重に思えてきました。

2012年7月1日日曜日

プリプリの復活に思う

先日Youtubeを見ていて、横のおすすめにprincess princessが表示されたので、ちょっと見てみました。

大学時代はプリプリの全盛期、もちろん有名どころの曲は知っているし(カラオケで誰かが歌っていて知ったというのも多い)、いい曲だなとは思っていたのですが、それほど熱心には見たり聞いたりいませんでした。

改めて、見て(聞いて)みると、ドラムの音がかっこいい。この富田京子さんって、今どうしているんだろう、と思って情報を探してみると、ブログがヒット。

「初ライブまで、あと10日です。リハも順調に頑張ってます」
「帰りの電車の中では、疲れきって爆睡して乗り過ごし」 

??

まだ音楽やってるんだと思って、もう少し見ると、どうやらあのプリプリの「復活」らしい。ということで、オーストラリアにいて少し乗り遅れて、このことを発見したのでした。

3月の米米CLUBとTMNetworkとジョイントだった復活ライブALL THAT LOVE -give & give-までの様子を取り上げた、情熱大陸の映像も部分的にみることができました。

富田さんのブログでも分かりますが、とてつもなく大きな期待を背負って復活するプレッシャーというのは、相当なものだろうと思います。1年近くかけて、子育てやその他の仕事のやりくりをつけて、その期待に応えられる状態にまで持ってくる。

ちらっと演奏を聴いた限りでは、全盛期との違いは分からない。(若干コーラスが苦しそうか・・という程度)

ライブの終わった後に流れる、「決してブランクではなく、彼女たちが生きてきた人生だ」っていうナレーションがいいですね。

前回のアデレード滞在の時に、子育てから復帰したオーストラリアの女性のポジションの高さの背景について、あるお父さん仲間に聞いたとき、「子育ての経験も、仕事に生かせる経験として評価されるのでは」という答えが返ってきたのが印象的でした。

樹研工業という、世界一小さい歯車の開発で有名な企業の社長さんは、ユニークな働き方の導入でも知られている方ですが、その著書の中にあった、子育てで退職してもいつでも戻ってこれる、その間も少しずつ昇給している、という仕組み。一般的な年功序列とも、業績主義とも違う、斬新な発想だな、と目から鱗が落ちる気がしました。

出産・子育てでそれまでの仕事をいったんやめた女性たちの復職・活躍がどんどん進み、人生の様々な「回り道」も評価されるように社会が変化していくといいなあと思います。 

と、大きな話になりましたが、音楽っていいですね。自分も、長男が生まれてからしばらくほとんど弾いていなかったギター。関西に戻って昔のバンドに誘ってもらったとき、迷っていた僕の背中を、妻が「もうそろそろやったらいいんじゃない?」と押してくれたおかげで、またバンドにも復帰しギターへの情熱がよみがえりました。

こちらでの友人とのネットワークは、このギターが作ってくれたようなものです。