2012年7月5日木曜日

The Wire全シーズン見終わった!

もう2週間くらい前になりますが、5月から見始めた(以前のブログエントリ参照)アメリカのケーブルテレビチャンネルHBOのドラマThe Wire、5シーズン分全60話、見終わりました。

英語は相変わらず、すごいボルティモア・アクセントや、いろいろな社会層、職業ごとの隠語で、聞き取るのはかなり困難、字幕をつけていてもときどき止めて読み直さないと、すんなり頭に入ってこないという状態。それでも、辞書やウェブのUrban Dictionaryを使わなくても何とか筋を追うことはできるようになっていきました。

周りの友達がaddictive(中毒になる)ドラマといっていたとおり、内容に引き込まれる。基本的には1日1話(1時間)ずつ見ましたが、週末などついつい2話見てしまったり。

基本的にドラッグと殺人事件を中心に展開するので警察が中心なのですが、単なる「悪者退治」ではない。警察も含め、何かしら社会構造的な問題を抱えているものとして描かれます。警察の組織(市と郡と連邦)の他、市と州の政治家、スラムの若者ドラッグディーラー、学校、港湾労働者、ヨーロッパ系移民の黒幕、新聞社の社員。それぞれの組織の中で、覚えきれないくらい沢山登場するキャラクターそれぞれも、個性的かつ話が進むにつれ様々な面を見せていく。信念を持っている人も、数字の達成の必要に迫られて変わらざるをえなくなる。明らかな加害者であっても、ある面では被害者でもあるという具合で、いろいろなキャラクターに対して、どこかしら感情移入できてしまいます。

これを見てから、ここオーストラリアや日本でメディアやSNSで取り上げられるさまざまな問題に触れるたびに、The Wireのどこかのエピソードを思い出すくらい、現代社会の重要な問題がすべて詰め込まれたようなドラマです。

日本ではスーパー!ドラマTVというCSのチャンネルで2008-9年に放送されただけで、今見ようと思うと、どうも輸入物の日本語字幕なしのDVDしかなさそうなのが、残念。それでも、ある程度英語字幕を調べながら見る気力のある人であれば、価値がある気がします。字幕なしで理解できないことはほぼ確実ですが、アメリカ人でもそうらしいので、かえって安心です(笑)。

血の出るシーンがまったくだめな人にはお勧めできませんが、内容的には一押しですよ。

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