2012年6月29日金曜日

区画と街並み(アデレードから京都を想う)

日々、自転車で移動していると、あちこちで売り出し中の住宅が目に入ります。

普段の移動範囲は歴史ある家が多いので、そのまま中古で売り出されることが多いですが、たまに更地になっているところがあると、区画の様子がよく分かります。


アデレードの住宅地の典型的な区画は、下の写真のような間口の狭く奥に細長い形。このあたりの地域はシティに近い平地部分としては、かなり広い方で、この土地は1300平方メートルですから、400坪くらいです。伝統的な戸建て区画がクォーターエーカー(つまり4分の1エーカー=1000平米くらい)と言われていて、800-1200平米くらいがよく見るサイズですが、同じ地域はだいたい同じようなサイズで同じような形をしています。たまに2区画以上をあわせた巨大な宅地がありますが、基本はこの形。

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このような土地に、下の写真のように、道路側に比較的寄せた形で家を建て、後ろに広大なバックヤードがあるというのが、伝統的な住宅の形ですが、新しい家は建物が巨大化してバックヤードが狭くなりがちとのこと。(バックヤードの話はこちらこちら

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下のGoogle Mapsの地図と写真モードを切り替えると、その様子がよく分かると思います。


大きな地図で見る

シティーから車で30分以上離れたような、もう少し価格の安い新しめの住宅地は、下の地図のように少しサイズが小さくなりますが、だいたい同じような作り。前庭がオープン外構になっているところが多いですが、基本的な作りは似ている。


大きな地図で見る


こうした(規制に基づくらしい)統一感を日々目にしていると、自分の家を含めて、日本の住宅地は、よく言えば自由度が高く、悪くいうと不統一なんだなあと改めて感じます。少し調べてみると、特に日本の戦後の都市計画の規制の緩さは専門家がよく指摘しているようですね。大規模開発はさすがに区画をそろえますが、小規模開発が重なるとかなりばらばら感あり。

大学時代・大学院時代と長く過ごし、今でも行く機会の多い京都は、かなり規制の厳しいところで、大学時代も新しい京都ホテルの高さの問題が議論になっていました。若かったその当時は、「規制は悪」と単純に考えていたような気がするのですが、他の地域を沢山見るようになってから改めて京都を見ると、住宅地から山が見渡せる大都市の貴重さを感じるようになりました。

その京都ですら、5年前にアデレードから戻って京都駅ビルから眺めたときに、建物の高さの不揃いさにショックを受けた記憶があります。

とはいえ、修学院離宮近くの風致地区になっている下の地図のような場所は、さすがに見事な景観という感じがします。家を建てる個人や業者からすると不自由な部分が多いのだろうと思うのですが、アデレードのように都市全体に「規制」のおよんでいる地域に住んでみると、「規制」の持つ魅力創造の力を強く感じます。

自由と規制、なかなか単純に白黒つけられない問題ですね。




アデレードの細長い区画を見ると京都の町家を思い出しますが、アデレードと比べてはるかに小さい土地をどのように使っていたのか、学生時代京都に長く住んでいたにもかかわらず、ほとんど知らないということに改めて気づきました。

そんなことを考えていて見つけた、株式会社「庵」の取り組み。ステイはちょっと(懐具合が)難しいですが、帰国したら「京町家見学ツアー」くらい参加してみたいなあ。

なお、こちらの素晴らしい試み「京都市明細図オーバーレイマップ」で京都の路地や区画の昭和初期との違いが分かります。全体としては、道幅も含めて変わっていない部分が多いことに感動しますが、細かく見ると郊外の方で大きな屋敷地が分割された様子なども分かって、とても興味深いです。

2012年6月26日火曜日

"また眠れる日が来るよ" 寝てくれない赤ちゃんを持つお父さんお母さんに

最近twitterで乳幼児のお母さんお父さんのつぶやきを見ていると、続けて寝られない悩み、なかなか寝付いてくれない悩みをときどき見かけ、自分たちの経験を思い出します。

特に長男の時、2,3時間おきに起きる生活が、相当大きくなるまで(2歳くらい?)続きました。抱いて揺らさないと寝ないし、ちょっと布団におく動きをすると(膝を曲げるだけでも!)ぱっちり目を覚まし、振り出しに戻る。「いつになったら終わるんだろう」という終わりの見えないトンネルにいるような気分でした。

 ○○ヶ月検診などで相談しても、「電気を消してみたらどうでしょう」などと言われるのですが、「それで寝てくれたら苦労はしない」、と解決にならず。

 長男の時は隣に音が漏れやすいマンション住まいと初めての育児が重なって、夫婦そろって神経質に接しすぎたなあという思いはありますが、個人差もあるし、寝かせ方についてはいろいろな説があって、正解はいまでも分かりません。

 今日、たまたま(といってもtwitterでフォローしているからですが)見つけた、オーストラリアの母親向けウェブマガジンMamamiaが作成した動画。子どもの睡眠に関する同サイトの電子書籍の出版を記念して作成されたものらしいです。記事はこちら。



ボードに書かれた先輩ママ達のアドバイス

"昔の生活を懐かしんだっていいよ"
"また眠れる日が来るよ"
"寝てるときはかわいいのにって、きっと言いたくなるよ"
"助けを求めていいんだよ"
"間違えたって悪い母親なんかじゃないよ"

などなど。自分だけじゃないという気持ちに、少しは、なれるかな。

子どもが大きくなった先輩研究者たちに自分がよく言われた言葉。「その頃が懐かしい。大きくなったら質の違う悩みが来るよ」。今はよく分かります(と、単身赴任で言えた立場ではないですが・・)。そうはいっても、その時は、その時の悩みがすべてなんですよね。

次男の時は、別の部屋でしばらく泣かせておくというのが、一番成功したなあ。

2012年6月24日日曜日

アフガニスタン料理と「おすすめYoutube即興Mix」

アフガニスタン料理

昨日は、Cityの外の少し西側にあるアフガン・レストランParwana Afghan Restaurant で、友人達と食事会でした。

アデレードはそれほど広くない街中とその周辺に、さまざまな国の料理を食べられるレストランが集まっているのが魅力。金曜日とはいえ、平日の6時半に働き盛りの社会人が集合できるというのも、日本と比べたオーストラリアの残業の少なさに加えて、職住近接で一戸建てにさえ住めるアデレードだからというのが大きいかもしれません。友達の家に集合というので、平日だからあまり早く行ったら申し訳ないと思っていつもより遅めに研究所を出たら、着いた頃にはもうみんな盛り上がっているという・・・。

初めて食べるアフガニスタン料理。みんな、お皿がテーブル置かれたとたんに手を伸ばすので、全貌を写真に収められたのはわずか。
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こちらはアフガン風のDumpling(餃子)、正式の名前は確認しそびれました。ヨーグルトソースを使って、中華の餃子とはかなり違う。この写真はすでに取り分けたあとですが、見た目もきれいで、とても美味でした。

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こちらは唯一無傷(?)で写真に収められた、チキン料理。野菜もたっぷりです。

他にオクラ(Okra)などを酢漬けにしたサラダ、さざまなフルーツやハーブとバスマティライスを炒めたものなど、ナス(Egg plant)のヨーグルトソースがけ、など、今まで食べたことのないものばかり。少ない経験から強いていえば、ヨーグルトを多用していて、トルコ料理とインド料理と少しずつ重なるようなところもありますが、やっぱり別のもの。ヘルシーでとても美味しい料理でした。若干値段ははりますが、他の知り合いにおすすめできる場所だと思いました。どれも珍しい料理なので、最低6人くらいで行って、取り分けないと楽しめないかもしれません。

おすすめYoutube 即興Mix

そのあと、友人宅でやった遊びがなかなか面白いものでした。日本でもやってる人はいるかな。自分の学生時代にYoutubeがあったらやっていたんじゃないかなというくらい、楽しい。


名前をつけるとすれば、おすすめYoutube Mix。
手順はこんな感じ。
  • ノートパソコンをスピーカーに接続。
  • ブラウザでYoutubeから自分がおすすめする曲のビデオクリップを探しだし、全画面表示にしてみんなで鑑賞(たまに歌ったり踊ったり)。
  • (途中から始まったオプション)気に入ったかどうかみんなに聞いて、気に入らない人が過半数を超えたらゴング(逆さに鍋)をならされて打ち切り。
  • 次の人が新しいビデオを探して見せる。

音楽好き、DJ好きの彼らのこだわりだなあと感心したのは、ただ終わって次の曲を探すに行くのではなく、曲が途切れないように、フェードインフェードアウトしてミックスするところ。

どうやってやるか?

Mixの方法

  • ブラウザでタブを2つ開き、一つのタブでビデオを再生。
  • ビデオの後半に、演奏しているタブと別のタブに切り替えて次の曲を読み込み、Youtube画面のボリュームを下げておく。(もちろん広告は終わらせておく)
  • 元のタブに戻り、全画面表示にする。
  • 終わりが近づいたら全画面表示を終わらせてMixの準備開始。演奏中の曲のボリュームを少し下げる。
  • 新しい曲のタブに切り替えて再生し、ボリュームをYoubube画面のボリュームを挙げていく。
  • 前の曲はこのころに終わる.
以上です。音楽好きの友達との集まりにいかがでしょうか。

しかし10月1日からの著作権法改正による違法ダウンロード刑事罰化で、著作権に抵触するもののYoutube視聴はどうなるのか。どうも、ニュース記事などを見ても、はっきりしたことが分かりません。Youtube方式の(簡易?)ストリーミングがダウンロードと見なされるかどうかで、日本でのこの遊びが可能かどうかが変わってきます(笑)。著作権クリアされているものとされていないものが、検索で両方表示されて、間違えてアウトの方視聴したら刑事罰とかいうことになったら、とっても大変なんですが、どうなんでしょう。

2012年6月21日木曜日

ヒレカツの代わりに豚ヒレ肉のピカタ

寿司、すき焼き、ラーメン、など、アデレードのレストランで、食べて結構美味しかったのですが、好物のヒレカツにはなかなか出会えず。ドイツ通の日本の友人とのtwitterでのやりとりで、ドイツレストランでPork schnitzelを食べれば、とんかつに近いものが食べられるのではと教えてもらいましたが、近くにはない。そんな中、普段ハムをよく買っている肉屋さんでPork filletが割と安い値段(500gぐらいで9ドル)で売っていることを発見したのですが、自分でカツを揚げるのは油の処理を考えるとハードルが高い。パン粉をかってもそんなに使わないだろうし・・。

ということで、昨日、ピカタを作ってみました。作っているときに同居人何人かに何かと聞かれて、piccataという単語を言っても知らない様子。そういえばあまり見かけないかも。

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ついでに付け合わせに、オーブンでカボチャとタマネギを焼いて、アスパラガスをゆでて、などと、大がかりに新しいことをやり過ぎて、ようやく完成したときに、ご飯を炊いていていないことに気づくという悲しいオチ。

結局ワインのつまみ(?)にカツを食べながら、20分ちょっとご飯が炊けるのを待ち、美味しく食べました。500gも作ったので、3食分くらいになりました。しかしきれいに卵を絡めるのは難しいですね。レシピに書いてあった粉チーズがなかったので省略しましたが、必須なのかな?こっちの摺り下ろしたてのパルメザンは美味しいんですけどね。
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明日21日が冬至(winter solstice)、5時過ぎで、もうこんな暗さです。なお、この通りは、裏通りですが、この広さ。アデレードでは出会い頭の衝突というのはあり得ないのではというくらい、交差点の見通しはいいです。角にフェンスを設けないかセットバックするような規制もある様子です。

2012年6月18日月曜日

大人の誕生パーティー

こちらの友人を通じて体験した人のつながりについて、このブログで何度か書きましたが、11月に書いたネットワークとしての友人関係の広がりはその後もたびたび、経験しています。

たまたま友人たちが30歳という区切りのいい年齢を迎えていることもありますが、なんども誕生パーティーやイベントに参加させてもらいました。日本だと、大人になると、誕生日といってもせいぜい家族や恋人と食事をするくらいで、それすらもうないことも多い気もしますが、昨日参加したホーム・パーティーはたぶん30人くらいの人が来ていた様子。さすがに、大きな区切りでなければ親しい友人と食事、という程度らしいですが、それでも友達同士のイベントになっているんですね。

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この後は定番のHip Hip Hooray (hurrah) 三唱(?)。応援の「フレー、フレー」はこれです。

そして、アメリカでもそうでしたが、パーティーは始まりと終わりがあいまいで、何時間もやっていて、ずっといる人もいれば、途中で抜ける人、途中から来る人。早い時間帯はちっちゃい子連れも多くいました。

あちこちで、友達を紹介し合っているところを見ると、決まったグループでなく、違うつながりの友達を呼び、その友達がさらにパートナーや友達を連れてきたりもするので、僕以外の人も初めての出会いがあるようです。イタリアから来たばかりの人がいたり(これはちょっと珍しかった)、本人がオーストラリア生まれでも家庭のバックグラウンドは様々。

もちろん日本でも、意識して異業種交流会などに出て行けばこういう機会もあると思いますが、普段の生活の中にあるこういう機会は、「社会」のできあがり方に大きな意味を持つだろうなあ、と日々感じています。
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やはり、今回も「火」が。ホントに冬でもアウトドアがすき。

2012年6月15日金曜日

フレンチをアレンジ(シーフードとアスパラ・人参のホワイトワイン&クリームソース)

いろいろ資料調査を重ねて、今日一気に調査の依頼のための研究計画を書き進めました。明日で仕上げて、依頼のメールを出したいところ。

さて、仕事が割とはかどったので、夕食はまともに料理を。このところ豚汁、豚じゃが(肉じゃがの豚バージョン)など、日本食が続いたので、今日は残っていたクリームとアスパラとセロリを使い切るために、シーフードと野菜を使ったクリームソース(ホワイトソース)料理を作りました。

Julia Childの本を参考にして2回作った魚料理の経験から、ちょっとアレンジして、オーブンを使わず、コンロ(stove top)で作る簡単バージョンを試してみたところ、時間もオーブンを使うより短く(全体で1時間弱)、とても美味しくできたので、レシピを記録しておきます。

材料(3皿分くらい)

  • Marinara Mix(スーパーの鮮魚コーナーで売っているシーフードと香草のミックス。白身魚、サーモン、イカcalamari、エビprawn、ムール貝musselが入っています。たぶん冷凍のシーフードミックスでもいいでしょう) 300g 
  • 人参 中 1本 さいの目に切る 
  • タマネギ 小 1個 さいの目に切る 
  • アスパラガス 5本くらい 3センチくらいに切る 
  • セロリの茎 10センチくらいを 5mm位の薄切りに。 

調味料

【具材用】
  • バター 大さじ1 
  • 塩 少々 
  • こしょう 少々 
  • レモンジュース 少々 
  • 水 具が覆われる量 
  • チキンストック(粉) 小さじ1 
  • 白ワイン 50ccくらい(これも適当。材料全体にかかるくらい)
【ソース用】
  • バター 大さじ2 
  • 小麦粉 大さじ2 
  • 生クリーム 30-50cc(あまりを全部入れたので、はっきり分からず) 
  • 塩・こしょう 少々

作り方

【具材を煮る】
  • 厚めのフライパンまたは鍋にバターを溶かし、中火でタマネギを炒める。 
  • 人参とセロリを足し、焦げないように火を弱めて、混ぜながら10分くらいゆっくり炒める。 
  • シーフード(Marinara Mix)とアスパラを足して塩コショウ、白ワインを全体にかける。 
  • 具全体が覆われるくらい水を入れて、チキンストックの粉を溶かす(ブイヨンなど?)。 
  • 沸騰したら、火を弱め、ワックスペーパーなどで落としぶたをして、魚に火が通るまで煮る(15-20分くらい)。
【ソース作り】
  • 具材を煮ている間に、ソース用のバターと小麦粉を混ぜて練っておく。バターが固ければ、電子レンジで10-15秒くらい温めて練りやすい程度に柔らかくする。 
  • 魚に火が通って野菜も柔らかくなったら、火を止め、煮汁を小さめのソースパン(普通の鍋でもいいでしょう)に移す。そのとき具が入らないように、ざるで漉しながら入れる。 
  • ソースパンに入れた煮汁を5分ほど沸騰させ、量を少なくする。 
  • 火を止めてバターと小麦粉を練ったものを入れてよく溶かす。 
  • クリームも入れる。 
  • もう一度火にかけて沸騰させる。濃すぎるようであればクリームをたす。 
  • 最後に塩こしょうとレモンジュースで味を調える。 


【最後の仕上げ】
具材の入ったフライパン(鍋)をもう一度火にかけて、焦げない程度に軽く再加熱。

具を皿に盛り、ソースをかけてできあがり。



ソース作りの部分を分けずにやったら、クリーム煮になるのでしょうか?その場合は野菜が柔らかくなりすぎないように大きめに切った方がいいですね。

家にある材料で簡単フレンチもどき。おすすめです!

今日半分くらい食べたので、残りは容器に混ぜて入れ冷蔵庫に。明日の昼か晩ご飯にします。

2012年6月13日水曜日

おもしろ英語表現

先日、友人宅の庭でみんなで座って話していたところ、友達の一人が、僕を見て早口で聞き慣れないフレーズをいいました。

とてもリズミカルで面白かったので、「What was that?(今なんていったの?)」と聞いたところ、隣にいた人が教えてくれたのが次のフレーズ。

(as) snug as a bug in a rug


友人は、ダウンジャケットを着た僕を見て、You look snug as a bug in a rug.と言ったらしい。

直訳すると、「絨毯の中の虫みたいに気持ちよさそうだねえ」。とても快適な様子を表すときに使うそうです。

uの部分三カ所にストレスをおいて、ちゃんと強弱をつけて読むと、リズムがあって楽しい表現ですよ。

発音例をネットで探してみたのですが、なかったので、自分で録音してみました(笑)。一人パソコンに向かって、このフレーズを繰り返す様子を客観的に見ると・・。

ネイティブのようにはいきませんが、こんな感じのリズムです。



そして、この日、もう一つ、意味が分からなくて聞き返した表現。

僕が作った統計地図について説明したところ、相手の反応が、

”What do you make of it?”。

単語はシンプルですよね。makeですから、最初はどうやって地図を作ったのかという意味かと思ったのですが、どうもそうは思えないので、もう一度聞き返したところ、How do you understand it?と。「それ何を意味してると思う?」というようなニュアンスの言葉なんですね。受験時代に書き換えとか覚えたかもしれませんが、やはり日常でこういうシンプル単語、とっさに理解できない、難関表現でした。

2012年6月12日火曜日

ハグ(hug)の文化

今回の滞在では、オーストラリアで育った人たちの友人グループに混ざっているため、ハグをする機会が今までの米豪滞在と比べてかなり増えています。

アメリカ滞在時の記憶は薄れかけているのですがでは、友達同士でもハグをする機会というのは、あまり多くなかった気がします。かなり久しぶりの再会などでは、ハグすることはありましましたが。

オーストラリアでも、職場では、日常的に顔を会わせている人たちの集まりなので、ハグを目にするのは、セミナーなどで友人と久しぶりに再会したというような場面くらいです。

一方友人グループをみてるいると、毎週のように顔を合わせている人同士でも、ハグ。といっても、男性同士の場合は、久しぶりに会ったとき、しばらく会わなくなる時の別れの時に限られ、普段は普通の握手や肩の高さにあげて組むスタイルの握手をして背中をたたくくらいが多いようです。女性同士、女性と男性の場合に、ハグして互いの右頬(女性同士で右左交互もたまに)をつけてキスの音だけという挨拶が、どうやら一般的な様子。それとハグにも程度があって、女性同士は両手でムギュッというハグも多く見ますが、男女の友人同士は片手(右手)を軽く背中に回す程度が多いですし、親しさや久しぶり度でも変わってきます。

カナダ人向けにオーストラリアの文化を書いたこちらのサイトに、だいたい同じようなことが書いてあります。

また男の友人同士で肩に手を載せたり組んだりということも、ちょこちょこあります。

こうしたスキンシップを含む挨拶、自分が受け入れられている感じがして、とても温かい気持ちになります。特に家族と離れて一人で暮らしている自分にとって、心に染みる感じがします。

これを日本の友達にやったら確実に引かれると思いますが、握手など違う形ででもスキンシップが増えると、他人とつながっている感じが増すのではないかなあ。親子からなら始められるかな?

などと思って、ネットを探していたら、日本ハグ協会という組織が日本に合わせた形でハグの文化を広げる活動をしていることを知りました。興味深い活動ですね。
こちらに会長の高木さと子さんがこの活動を始めたときの思いが書かれています。海外生活からというわけではなく、ご自身のつらい体験を乗り越えてこの活動を始めた様子に心を打たれます。

なお、補足しておくと、オーストラリアでも、初めて会った人や、それほど親しくない間柄で再会したときなどは握手程度ですし、さまざまな文化的背景の人がいるので、握手を含めて、相手の出方や周りの様子をみて、また自分の居心地のよい範囲で、対応するといいと思います。
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訪問した友人の実家で、暖炉の初体験。これも温かい気持ちになります。

2012年6月10日日曜日

オーストラリアン・フットボール観戦2度目

友人グループの仲間がメルボルンから帰ってくるということで、2度目のフットボール観戦。友人の家から自転車でノースアデレードの少し北にある、Prospect Ovalに行ったのですが、僕以外の二人はロードバイクで、速い速い。普段一緒に走っている人は年齢が60を超えている人が大半で、小径車やマウンテンバイクでのんびりと、というペースなので(といってもその年齢で4-50キロの距離を平気で走るのですが)、こんなに必死で追いかけるのは、あまりない経験。まあそれでも、16インチタイヤ、8速のtikitで何とかついて行けたのは、ちょっと自信になりました。

フットボールも、だいぶ観戦のポイントが分かってきたので、一緒に盛り上がれるように。特に下の写真の通り、応援していたNorwoodがロスタイムに入った段階で、1点差を追う展開。ゴール前に攻め込むも、結局時間切れで負けてしまいましたが、会場も盛り上がっていてとても楽しい観戦でした。
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休憩時間には、大人も子どもも、グラウンド(オーバル)にボールを持ち込んで、自由に遊ぶという何とものんびりした雰囲気です。僕も初めて一緒にやりましたが、キックしたボールをキャッチするというだけでも、なかなか面白い。(あくまでも州レベルのSANFLだからだそうですが)。
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しかしオーストラリアの人は、ホントにビールをよく飲みますねえ。つまみもなしに。

2012年6月8日金曜日

出生率上昇についてのブログ記事追記

少し前に2010年までの出生率上昇について記事を書きましたが、6月5日に2011年についての数値が厚生労働省から発表されたので、それを受けて追記しました。

2012年6月7日木曜日

英語の決まり文句の難しさ

朝、メールをみると、質的データの分析に使うソフトNvivoのアップグレードの事前予約の案内が。どのみち注文するつもりだったので、安いうち注文しておこう思ったのですが、オンライン予約ではなく、ファックスか電話のみ。電話で英語を正確に聞き取るのは、面と向かってしゃべる以上に難しいことが多いのですが、さすがに今回の滞在も8ヶ月以上たち、まあ何とかなるという度胸はついてきました。

電話をかけて、はじめに出た人に用件を伝えたところ、”Who ……… speaking to?”という言葉が聞こえたので、とっさにメールをもらった人の名前を告げたところ、”No”、と言われ、そのあとにその人は今不在という返事。でも、そのNoの反応は、こっちが聞き間違えた時の調子。そして、そのあとにYour name? との質問。

さっきの彼女の質問の響きを反芻してみると、

Who am I speaking to?

「私は誰と話しているのでしょう」。つまり、こちらが誰と話したいか尋ねているのではなく、「どちらさまですか」とか(最近の日本の会社定型句の)「失礼ですが」だったわけです。Could I have your name please?とかだと分かりやすいのですが、「私は誰と話しているのでしょう」は日本語ではしない表現なので、とっさに分かりませんでした。そういえば、以前も同じようなことがあった気が・・。

こういう定型表現は何種類も言い換えがあるので、知らないと、聞き取るのは本当に難しい。しかも、こういう「当たり前」の表現はすごく早く発音されることが多いので、単語レベルで聞き取るのは不可能に近いです。

最近でこそ慣れましたが、会社などに電話をするといきなり耳にする、「会社名.This is 名前 (speaking). How can I help you?」も決まり文句で、たいていむちゃくちゃ速く、しかも最初に長い固有名詞が続いて何のことか分からず、動揺したものです。 

電話ではありませんが、日常の挨拶のバリエーションも慣れないと難しい。How are you (going)?の壁(こちらのエントリ)、これはだいぶ慣れましたが、まだnot too badとかpretty goodとかバリエーションをつけるのは難しかったりします。

そして、質問のバリエーション。 

How are you?やHow are you going?は基本ですが、他にこんなヴァリエーションが。

How have you been?(2週間ぶりくらいにあったとき)

How’s your day been?(夕方にシェアメイトに会ったとき)。

そして、少し前にシェアメイトに言われて、何度も聞き返してやっと分かった表現。

What have you been up to (today)?

英和辞典では「be up to」で「(悪いことなどに)従事して」とあるのですが、そこまでのニュアンスではなく、「今日どうしてた?」という程度の感じ。

Australian Oxford Dictionaryで up to を調べると、6番目の意味として”occupied or busy with”というのがあって、例文としてWhat have you been up to?でてきます。この説明からすると、別に悪いことではなく、「(何かで)忙しくしていた」「(何かを)ずっとしていた」という意味で使うんですね。

こういう単純な動詞・前置詞(副詞)の組み合わせが、日常会話には本当に多いです。その分、多義的なので、単語を知っていてもフレーズとして慣れないとどうしようもないです。ただ、こういう表現に沢山触れると、upとかputとかシンプルな単語の伝えるニュアンスがだんだん体にしみこんできて、推測しやすくなったり、自分でも知らない表現が自然に口をついて出てくるようになってきます。

2012年6月5日火曜日

Macでも塗り分け地図--とりあえず紹介編

昨日は、サイクリングの途中で激しい雨。今日も晴れたり曇ったり、突然大雨になったりが降り始めるような不安定な天気。

連日自転車で雨に濡れるのはいやなので、家にこもってオープンソース(ある条件の下に無料で使える)地理情報システムQuantum GIS (QGIS) 1.7と格闘。

調査の訪問先を検討するために、アデレードの地域ごとの統計データを元に塗り分け地図を作ろうというのが目的です。

これまでも論文などでMANDARAという、人気のソフトを使って、塗り分け地図を作ったことは何回もあるのですが、そのたびにWindowsに切り替えなければならないのが、ちょっと不便でした。数年間こういう作業はしていなかったので、そろそろMacで使えるGISも出ているのではと、少し前に検索をして見つけたのが、QGIS。ちなみに僕はGIS(地理情報システム)はまったく素人。この系統のソフトでちゃんと使ったことがあったのはMANDARAだけ。それも、マニュアル本片手に手探りでやっていました。

QGISの使い勝手はMANDARAとかなり違うし、関連情報もちょっと見つけづらい。本家のManualと、英語や日本語の様々なウェブサイトの情報を渡り歩いて、1日ががかりで基本的なことがようやくできるようになりました。

結論としては、これはかなり使えそう。

詳細は後日書くことにして、今日はこんなことができましたという、例だけ。

右の画像が実際に作ったものですが、一番の目的は、地域の統計データの値の高低によって色を塗り分けること。そしてこのソフト(本格的なGISは全部そうなのだと思いますが)のいいところは、レイヤー(層)をどんどん追加することができて、各層の表示非表示、透過性の設定など自由にできること。

今のところ追加してあるのは次の各情報です。
  • 国勢調査区単位の地図 
  • 上記単位ごとの統計データ 
  • suburb(地区)ごとの境界線と名前の入った地図。(右図では非表示にしています) 
  • 調査したいと考えている子育て支援施設すべての位置情報と名称(Google MapsのMy Placesから)(見えづらいですが水色の星で表示しています) 
  • 自分が実際に足を運んで写真でも様子を記録したルート(GPSのデータから) (緑の線)
自分も忘れてしまいそうなので、どうやって作れるかについても、近日中に書きたいと思います。

2012年6月1日金曜日

紙包装の保冷効果

日本のスーパーでは当たり前の、保冷剤や氷のサービス。オーストラリア(少なくともアデレード)では見かけません。最初は保冷バッグにシェアハウスの冷蔵の保冷剤をいれたりしていたのですが、車で行くから大丈夫といって使っていない様子。

夏の間、肉や魚がちょっと心配だったのですが、よっぽど移動が長いとき以外は、僕も保冷剤を使わなくなりました。

そして、一つ安心材料だと思ったのは、スーパーに入っているところも含め、こちらの肉屋や魚屋では、下の写真のように、ビニール袋(plastic bag)に入れた後に、2,3枚の大きな紙でぐるぐる巻きにしてくれます。 そして、帰ってきて冷蔵庫に入れ忘れいても、結構冷たいままなのです。
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紙の保温力に最初に感動したのは、京都の「銀閣寺アイス」の新聞包み。(何となく、こう呼んでますが、今ネットで調べたら正式名称は「銀閣寺キャンディー店」のようです)

スーパーでアイスなどを買うと、いくらたくさん保冷の氷などを入れても、家に帰る頃には確実に溶け始めています。ところが、「銀閣寺アイス」では、新聞紙でぐるぐる巻きにしてくれ、京都から滋賀まで帰っても、まったく溶ける様子なしです。考えてみたら、氷はアイスより温度が高いですから、むしろあっためているようなもの?

そういえば、焼き芋屋さんなども新聞紙でくるんで、ほかほかのまま持って帰れますね。

紙の利用と環境のことは難しくてよく分かっていないのですが、オーストラリアではスーパーでもこの紙包装の知恵が生き残っているのが面白い。パックして売られているものは、トレーに入っているので、保冷効果は望めませんが、素材は紙っぽい感じです(詳細未確認)。ウェブで調べたら、今年から植物を素材とするプラスティックのトレイを導入しつつあるようです。
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6月21日の冬至(winter solstice)が近づき、6時前にはこんな様子です。

Macをおいて街に出よう

ここのところ、調査計画を組み立てるために、ウェブ上でアデレードの地域統計や子育て支援施設に関する資料を集めて画面で読む作業をしていました。今日は気分を変えて、これまで集めた情報を参考に、実際に施設のある地域を見て回ることに。

5年前に住んでいたところは南部、今は東部、西部はビーチがあるので昔も車で行っていたし、サイクリングでもよく回っているのですが、北部は行ったことのない地域が大半。シドニーやメルボルンでは、精力的に多様な地域を回ったのですが、住んでいるアデレードではかえっていつでもいけるという気持ちもあって、今まで限られたところばかりをうろうろしていたんですよね。

というわけで、今日は、北部の行ったことのない地域を中心に回ってきました。家から一番離れたところで、片道35キロほどあるので、全部自転車で移動するのはさすがにしんどい。

結局、tikitとバス・電車を組み合わせて計110キロほどの行程。一筆書きのように回ったので、5カ所の施設とその周辺、その中間の地域をいろいろ見ることができました。自転車で走ったのは45キロくらい。
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外からしか見たことがなかった、レール上を走るバスO-Bahn初体験。普通の道路からレールにガイドされた部分に入るところはきわめてスムーズ。特にスピードを落とすこともなく入っていきました。

先に地域ごとのsocio-economic indexのデータを調べてあったので、同じ北部でも、一番advantagedとdisadvantageの両方の地域を見られるようなルートに。
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確かに家の作りや車を見ると大きな違いがあり、寂しく感じる地域もあるのですが、それでもどの地域も緑地や街路樹はきれいに整備されて、また新たな開発もあって、アメリカの大都市を回った時のような大きな格差は感じませんでした。
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自分で自転車で走り回って、統計指標から想像したとおりの部分と、やはり行ってみないと分からなかった部分とがあるなあというのが、当たり前ですが実感です。Google Mapsのストリートビューでも分かりますが、時間がかかるし、雰囲気を直接感じるのとはやはり違う。

何より、現地を見ることで、調査計画を進める刺激になったので、明日からまたMacに向かいます。フィールドにでることと、理論に立ち返って調査枠組みを見直すこと。この間を行き来しながら調査を進めることの重要性を、社会学者の佐藤郁哉さんは「書を持って街へ出よう」という言葉で表しました(今本が手元にないので、正確でないかもしれませんが・・)。

僕の調査は、現段階ではパソコンと本のウェイトが高いですが、もう少し資料を読み込んで計画を書き上げ、7月には話を聞きに行けるように進めたいところです。

そういえば、今日の帰りの電車で仕事帰りのバンドメンバーと一緒になってびっくり。近くに来ているというメールのやりとりはしていたのですが、まさか同じ電車とは。