2012年4月29日日曜日

オーストラリアで使う辞書

2回前のエントリーで予告したiPhoneで使っている辞書の話です。

物書堂のアプリ、ウィズダム英和辞典第2版(三省堂)も気に入っていますが、こちらのレビューはたくさんあると思うので、英英辞典のAustralian Oxford Dictionaryの方を少し紹介。

学習者としてはもう少し文例が多い方がありがたいかなとは思いますが、オーストラリア英語の独特の表現のエントリーの豊富さとアプリのユーザー・インターフェースがとても気に入っています。オーストラリアに滞在する日本語話者は、英和辞典とこれを併用するととても便利です。それでもない表現は、スラング辞典やネットのurban dictionary。

ユーザー・インターフェースで気に入っているのは、次のようなところです。

見出し語、熟語、用例の区別なく検索できる

複数の単語を入れれば自動的に熟語や用例を検索してくれるのは、いちいち切り替えるインターフェースと比べて楽です。

Indexという画面があって、紙の辞書のように中の単語をパラパラと眺めることができる

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 右側のアルファベット二文字をタップするとその二文字で始まる見出し語の場所にジャンプします。その上のT一文字をタップすると、AからZまでの文字が表示され、文字をタップすれば大きくジャンプします。
 多くの電子辞書はsearchだけですが、browseできるということですね。国語辞典でいえば、物書堂のiPhone&iPad版『大辞林』が斬新なインターフェースでこの機能を持っています。 

綴りが間違っていても、類似の候補を表示してくれる

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わざと間違えた綴りで入れてみました。

この機能のおかげで、耳から聞いた単語の綴りを推測して入力してみると、正しい単語が見つかったりします。

ブックマークに自分でメモをつけられる

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右側に青に白抜きで吹き出しのような形があるのが、メモがついている印。
日本語でも入力できるので、調べた結果に注意書きをつけたいときなどに便利。teaという見出し語の下についているのが自分で入力したメモです。teaを夕食の意味に使う人が結構いるので、そのあたりを調べたときのメモです。イギリスの用法のようですね。
一番上にあるpollyはpolitician(政治家)のくだけた表現、一番下のoverはクリケットで2人の投手が交代で投げる単位(6投分)です。

オーストラリアの標準的な発音が聞ける

英和辞典にも単語を発音してくれる機能はついていますが、ほとんどがアメリカ標準発音で、だいぶ違います。この辞書は明記はされていませんが、聞いた感じはオーストラリアの標準発音だと思われます。僕の耳では、イギリスの標準的な発音と聞き分けるのは難しいです。

国際音標文字IPA(International Phonetic Alphabet)が使われている。

一般的な英英辞典は独特の発音記号が使われていることが多いのですが、こちらはIPA。昔学校で習った発音記号と共通点も多く、かつ、例えばseatとsitの違いが 、母音の長さの違いだけでなく、iとI(の背の低い字lower case)という母音自体の違いとして表記されたりするので、必要な音素の区別を知るのにとても有効だと思います。最近の学習辞書は日本のものもIPAが多く使われているようですね。ちなみに三省堂の英和辞典Wisdomも「国際音標文字(IPA)に若干の修正を加えたものを用いて表記する」とあります。

ところで、これを書いているときに調べたら、このアプリを作っているEnfour Inc.というモバイル端末用コンテンツの制作会社、なんと東京から世界展開している会社のようです。しかもCEO のRichard Northcottさんは、オーストラリアで生まれて、学生時代から長く日本に在住している人だとか。

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