2012年5月29日火曜日

セミナー報告の果実

2週間前にあったセミナーでの報告。実は、自分で研究所の所長に志願して、設定してもらったものでした。僕の滞在の目的はオーストラリアについての研究ですが、自分が今の時点で貢献できるのは、こちらの人に馴染みのない、日本のことについて伝えることかなと思って、あえて滞在の中間点では、日本ことについて報告することにしました。具体的には、研究所の専門領域とも重なる、出生率と育児休業などの仕事関連の政策がテーマです。

このセミナーに同じ大学の別キャンパスから参加した大学院生(中東のある国からの留学生)が、終わったときにに声をかけてくれました。日本を含む複数の国の時系列データを使った男女平等関連の研究で、日本だけが他と異質な結果になるので、背景の解釈についてアドバイスがほしいというものでした。

改めてメールをもらって日程を設定し、今日、ミーティングをしました。まず、彼女の分析結果について説明してもらったのですが、日本について英語に書かれた先行研究などは、とてもしっかり整理していて、特に補足することはないんじゃないかなというくらいでした。

それで、統計手法の性格などを考えつつ、よくデータを見てみると、どうも日本の女性の戦後の労働力率の変化にポイントがありそう。日本の人たちの中でも、戦後女性が社会進出していったようなイメージが一般には広く持たれていますが、高度経済成長期に急速に農業・自営業中心社会から会社に雇われる働き方中心の社会に変化するなかで、女性の専業主婦化が進み、労働力率は下がっていったんですよね。それから上昇するので、変化が一方向でない。

そんなことを話ししていると、分析方法で改良すべき点が見つかり、とても喜んでくれていました。彼女自身の国の状況と大きく違うということも興味深かったらしく、こちらも改めて日本の変化の特徴を意識することができたし、セミナー報告で目指していたことが少し実現できた1日でした。

午後は、また日本の自治体関係の仕事の資料にコメントを書いて終わってしまいましたが、こちらの調査の準備も今週中には何とか目処をつけなければ! R0022628
日曜の夕方、買い物に行く途中で通った近所の公園にて
写真をクリックしてflickrに入り、さらに写真をクリックすると拡大し、奥の丘がきれいに見えます。アデレードは三方をこんな感じの丘に囲まれ、西側がビーチになっています。

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