2012年2月28日火曜日

キャンパスに賑わい戻る


先週から新入生オリエンテーションはありましたが、意外に静かだった大学のキャンパス。

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今週から授業が始まって、全学年がキャンパスに戻り、ようやく大学らしい雰囲気になってきました。12月のはじめの方から2月下旬まで長い夏休み(南半球なので)。研究所以外では先生たちもあまり見かけなかったような・・・。

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日本の大学に比べればカジュアルな服装の割合が大きいと思いますが、意外に(?)ファッショナブルな学生も多い。

所属は研究所ですがせっかく大学にいるので、授業の雰囲気も体験してみたいと思っています。

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 とはいえ、研究の方でも、こちらでの調査以外に、英語で日本の育児休業関連の政策と研究のまとめをする仕事が加わり、昨日締め切りなどの詳細が送られてきました。30以上の国々と比較するためのものなのですが、結構深い内容が求められていることが分かり、文献の入手をどうするか、ちょっと頭を悩ませ中。

 英語については、英語圏以外の執筆者が多いという前提なので、ちゃんと編者(英語圏の人)がチェックしてくれるということで、ホッとしましたが・・。

2012年2月26日日曜日

Mac操作の効率化


以前のエントリーで2回(こちらこちら)にわたって、Lifehacker: The Guide to Working Smarter, Faster, and Betterという本について触れました。

その時に紹介したメールの整理法ですが、今も続けていて、受信箱の中身ゼロを維持しています。大事なメールの見落としもなく(たぶん)、かつ、メールに使う時間をある程度限定できるとういことで、とても有効です。

その他の部分については、このメールの整理法ほどの大きな発見というのは、なさそうですが、普段の仕事の効率化(かつ楽しみながら進める)のための情報は満載で、すでに活用しているものもいくつかあります。
【Quicksilver】
アプリケーションの起動などMacの基本操作をキーボードだけでできるようにするユーティリティ(フリー)。
Macの場合、よく使うソフトは画面の下(違う場所に設定している人も)のドックに入れておいたり、最新OS Lionであれば、Lauch Padから立ち上げることは、可能です。ただ、どれもいったんキーボードから手を離して、アイコンを探し当てて、そこまでポインタを移動して(ダブル)クリック。マウス操作というのはよく分かっていない作業を手探りでしていくときには便利なのですが、わかりきっている操作をするときは、結構まどろっこしいもので、例えば、excelを立ち上げたちあげたいということが分かっているのだったら、「Excelを立ち上げて」と指示できれば楽。

Quicksilverでは、設定したキー(僕はコマンドキー2回押しに設定)をタイプすると、指示のためのウィンドウが画面の真ん中に現れ、後はexと入れたらもうexcelのアイコンが現れ(上の図参照)、それを確認してReturnキーを打つだけ。同じ文字で始まるファイルが二つあっても、最近使ったものを学習してくれるので、たいてい数文字で必要なソフトが現れます。実は、これはアプリの立ち上げだけでなく、ファイルを開いたりコピーしたりするのにも使えるのですが、英数字以外には反応しないので、英数字だけでファイル名をつけている人でないと、この機能は活用しづらいように思います。
アプリの立ち上げという目的には、本当に便利です。今まで使っていなかったのがもったいなかった。

Macの便利ショートカット】
 Lifehackerの中では極力マウスを使わずにすます方法として、一般的なショートカットの活用も提案されています。

意外に知られていないところで頻繁に使うのは、Command+tab(アプリケーションの切り替え)でしょうか。ウィンドウズではCntrl+tabで開いている文書の切り替えができますね。

本に書かれていたわけではないのですが、最近自分で探して発見した便利なショートカットをいくつか紹介します。

Safariのタブ切り替え
一つのウィンドウに複数のタブを開いているときに、次のタブに移るショートカット
  → Contral+tab

Excel ウィンドウ切り替え  → Cntrl+tab
・Excel シート切り替え → option+左右矢印

【Pomodoroテクニック】
仕事に集中するためのテクニックの一つ。タイマーを使い、25分の集中と、5分の休憩を組み合わせる。それ専用のタイマーのマック用フリーソフトも紹介されています。ついついウェブの記事などを読み始めてしまうのを休憩の5分まで我慢するという形で、励み(?)になるので、有効です。

http://www.focusboosterapp.com/

無限に時間をかけてしまいそうなレポートの採点時に、タイマーを使って体にリズムをしみこませるというのは、少し前の年度からやっていました。人一倍時間をかけてしまう自分にとって、タイマー利用がとても効果的だということは気づいていたので、この方法も試してみました。

【情報入力の省力化】
Lifehackerを読む前から使っていましたが、TextExpanderとういソフトも本の中で紹介されています。入力することの多い情報を自分なりの短縮形にして、タイプの手間を省けるので、「またメールアドレス打たなきゃ行けないのか」という面倒くささが、軽減されます。

例えば、アドレスやアカウント。Gmail のアドレスであれば、mgglと打てば即座に本当のアドレスに変換されるように設定してあります。
日付はddateと入力すると、その日の日付が120226というような形で表示されるように設定してあるので、ファイル名にその日の日付を入れたいときは、ファイル名を入力した後にこの略称入力で自動的に日付が入ります。

もちろん住所にも使えますし、署名全体にも使えます。

他にもいろいろなlifehackが書かれていましたが、自分が実際にやっている物で、簡単で即効性のありそうなものを紹介しました。

まあ、こうやってソフトが増えて余計に時間がかかっているのでは?と言われれば、返す言葉もありませんが、単純作業がちょっと楽しくなるというだけでもメリットはあるのではないでしょうか。

2012年2月23日木曜日

ところ変われば、スポーツも変わる(?)


この写真、何のスポーツをしているところか分かりますか?

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今日の帰り、2ヶ月以上ぶりに髪の毛をカットするために回り道をしたところ、この光景に遭遇。おそろいの赤いTシャツに短パン、そして帽子。

実は野球です。アデレードで野球をしているのはほとんど見たことがないのですが、ここは前にもこのブログで取り上げた、野球専用グラウンド。しかも、地域の公園ですが外野はそう天然芝という贅沢さ。まあ、こちらで屋外スポーツをするときは芝生が当たり前ということなのですが。

どうやら高校生くらいの子たちのチームのようで、ノックをしているところだったのですが、ときどき声が聞こえる以外は、静かな中に硬球の音が響き渡る。野球の練習とは思えない雰囲気でした。

これを書いていて、小学生の頃の少年野球の記憶がよみがえってきました。

守備をしながら、構えているバッターに対してみんなで一斉に声を出すのがとても苦手だったなあ、ということ。人前で歌うのは好きなのに、不思議です。

パーティーなどではこちらの方が相当騒々しいのですが、スポーツ(クリケットやテニスも)に関しては、基本的に静かというのが面白いところですね。

2012年2月22日水曜日

新年度のスタート


 情報を検索してこのサイトを見にくてくださるかたも増えてきたようで、連絡先も何も書いていないのもせっかくのコミュニケーションの機会を逃しているかなと思い、詳細プロフィールの中にアドレスを入れました。記事でコメント欄に書きにくいお問い合わせなどありましたら、そちらまでお願いします。

 それから一点、過去の記事の訂正です。イギリスの標準発音はReceived Pronunciation (RP)です。なぜか昔からReceivedがApprovedと混ざってしまうのですが、確認したつもりでなぜか間違ったApprovedのほうを書いてしまいました。記事の方も訂正しておきました。

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 オーストラリアの大学は2月後半が新年度のスタート。シェアハウスの同居人の中の二人も今年から大学(高校からすぐではありません)、それぞれ別の学校ですが、それぞれ新たな世界で、先日は、夕食準備時キッチンで、新天地の様子で盛り上がっていました。授業料が高い・・でもどちらも様々な制度でカバーされる様子。

 僕がVisiting Academicとして所属してるのは研究所なので、1月から院生もみんな普通に来ていましたが、キャンパス全体としては割とひっそり。このキャンパスは人文・国際・社会・教育系中心だからかもしれませんが、研究等で来ているような学生たちもあまり見ませんでした。

 そういうわけで、せっかく大学に来ていながら、普段undergraduateの教育の様子に接するチャンスがありません。たまたま昨日図書館に行ったときに、各学部(school)ごとのオリエンテーションのスケジュールをみつたので、会場を覗いてみました。

 最後の方だけ覗いた勉強に関するセッションは課題の作成時の文献引用の注意点などの話で、自分たちがやっていることと同じような感じでしたが、1時間まるまる見学させてもらった別のセッションは、自分にとってもヒントになるようなものでした。

 それは、このブログのテーマと重なるような、生活、大学、仕事、その他の友達とのつきあいなど、もろもろのバランスについてのセッション。日本の大学でも学生部などのガイダンスで話す内容に近いですが、ストレスマネージメントやタイムマネージメントの工夫について、学生のアイデアも聞きながら、結構踏み込んでディスカッションをしていました。

 朝7時から夜11時くらいの曜日ごとのWeekly Plannerのシートを配布して、活用例を示していました。これはウェブサイトでもダウンロードできるらしいです。大学の時間割を書くシートは日本でも昔から一般的ですが、放課後を含めてもっと全体を考えることも必要ですよね。

 所属している学生の数からするとずいぶん参加人数が少なく、椅子を輪のようにして説明とディスカッション。子育て中の学生さんやいったん社会人を経て入学した人など、それぞれの立場から、不安について相談をしたりアイデアを伝えたりという様子を、(一応担当のカウンセラーさんに許可を得て)興味深く見せていただきました。

 タイムマネージメントについては、自分のゼミ生などにもときどき考えてもらう機会を持つといいなあ、とヒントをもらいました。

 自分の学生時代は、所属していたサークルの役員決めの話し合いが、明け方まで続く時期がいやで、すごく疑問に思っていたことを思い出します。あの頃すでに、時間の際限なく(?)何かをするという文化に疑問を感じていたのですねえ。

2012年2月21日火曜日

アデレードの伝統校に潜入(?)


昨日(19日)は、サイクリングクラブの企画で、シティから近くの郊外を走って、メンバーのお宅でランチ(BYO=持ち込み)&スイミングという企画。

あるメンバーの娘さんとドイツ人の彼氏も参加ということで、自分よりかなり若い人の合流は初めて。

そのコースの中に、以前、門の外からの写真を紹介した幼少小中高を含む一貫校私立学校Scotch Collegeが含まれていました。関心があったうえに、事前にメールで歴史の説明までしてもらって、とてもありがたい企画でした。どうやら普段から自由に入れるみたいですけどね。
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南オーストラリア植民地の財務大臣券Regstrar-General(土地の管理を担当する部署の長)が建て、実業家・篤志家がオーナーなってきた邸宅を、長老派の教会が買い取ってScotch Collegeのキャンパスになったそうです。
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サイクリングのメンバーのお父さんが20世紀初頭にこの学校の前身(場所も違う)に通っていたらしく(このことでメンバーの年齢が分かると思いますが)とても詳しい説明でした。

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建物も緑も花も、とても美しいキャンパスでした。アデレードの公立の学校の校庭も十分きれいですが、私立の伝統校はさらに別世界という感じですね。なお、collegeという英語、国によっても違うし、同じ国の中でもいろいろな意味で使われてややこしいのですが、アデレードで見かけるCollegeという名前は、たいてい私立の一貫校のようです。Google Mapsの日本語版で見ると、アデレードにたくさん大学があるように見えてしまいますが、大学(University)はAdelaide, Flinders, South Australiaの3つだけで、そのほかで「大学」と書いてあるのは、これらのCollegeです。
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昨日帰ってきてから日本の友人のtweet(とリツイート)を見て気づいたのですが、日本軍のダーウィン奇襲の日だったのですね。日本でも日豪の戦争の歴史はあまり知られていませんが、ニュースで見たところ、オーストラリアでもこの歴史について学校で教えてこなかったらしく、首相が現地の記念式典で(日本という相手国の名前は出していないようですが)この歴史をきちんと伝えなくてはいけないと発言していました。親日的で、かつ実際に旅行や英語の先生として長期に滞在している人がとても多いオーストラリアですが、他にもパプアニューギニアのKokoda trailでの戦いなど、悲しい歴史があったのですよね。その発端の日に、戦前生まれの人たちも含まれるグループと、和やかなひとときを過ごしていたということに、不思議な巡り合わせを感じました。


2012年2月18日土曜日

次なるお米は「Koshihikari」(ついでに韓国語の話)

今日のアデレードは、最高気温35度を超える、久しぶりに夏らしい1日。Cityまでお米の買い出しに行くつもりでしたが、Twitterの過去のつぶやきを救い出して、Scrivenerにつぶやきごとに切り分けて保存するという作業をし始めたら、思いの外時間がかかってしまい、4時近くに。

5時ですべての店が閉まってしまうので、Cityはあきらめ、今までお米を買ったことがなかった韓国系のアジア食材店Happy Martをのぞいてみることに。

するとここは土曜日も8時までやっているということが分かりました。こちらは夏時間で時計を進めているので、一番暑くなるのがこの時間。さすがにお米を抱えてうろうろしたくないので、先に遅いランチを近くのカフェで済ませ、公園の木陰のベンチで読書(Kindle Touchですが)。

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芝生ではサッカー少女がご両親らしき人に見守られながら、一人走り回る。

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上を見上げると、大きなGumtreeでにぎやかな鳥の声が。

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綺麗な色のインコ(Rainbow lorikeetというらしい)がたくさん。かなりうるさい。

 そして、お店の若い店員さんのお勧めで買ったのが、こちら(↓)。Sun Riceというオーストラリアのお米メーカーのKoshihikari。アメリカで「こしひかり」と名のついているお米で失敗した経験から、外国でのこの名前は何となく避けていたのですが、韓国のお米よりも安く、人のよさそうな韓国人のお兄ちゃんのお勧めと、10Kgで$18と安かったのもあって、思い切って購入。店の人に注目されながら、tikitのリアラックにくくりつけて帰宅。
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これは、今まで食べていた「錦」よりもさらにもちもちしていて美味しい。前に買った6キロを使い切るのに4ヶ月かかっているので、この10キロで帰国までいけるかもしれません。

こちらのお店のowner、韓国出身の人だと思いますが、いつも日本語で話しかけてくれるので、今回は事前に韓国語の挨拶を確認して、自分が去るときの「さようなら」にあたる(안녕히 계세요 (アンニョンヒ ケセヨ)を使ってみました。ちゃんと、あってるといってくれてうれしかった(笑)。実は以前、韓国語のテキストを買って勉強したので、ハングルの読み方と発音はかなり分かるようになっているのですが、単語と文法をちゃんと知らないという中途半端な状態なので、iPhoneアプリで勉強中です(なぜオーストラリアで)。

「韓国語組み立てTOWN」(現在特価85円)というアプリ、パターン練習をゲーム感覚でできるので、なかなか有効で面白いです。ただし、まったく予備知識がないと説明が少なくてつらいかも。ハングルの読み方と発音の基本は、iPhoneアプリ「繰り返し聞くだけで話せるようになる韓国語Lite」(無料)がなかなかいいです。

以前英語について書いた音の区別に対する意識というのは、韓国語も日本語より音の区別がずっと多いので、とても有効です。以前カラオケで韓国語の歌を歌ったら、韓国人の大学院生にネイティブのようだと言ってもらえましたから(笑)。

2012年2月17日金曜日

Au Revoir, Director!

今日は、Sabbatical(研究休暇)のため明日から5ヶ月国外に行ってしまうDirectorの壮行会と、長年こちらで研究をしていた研究員の送別会を兼ねて、研究所のメンバーほぼ全員でランチ。Drictorは研究所を創設し、重要な研究を次々生み出す今の状態になるまで6年間走り続けた(もちろん休暇はきちんと取っていたとはいえ・・)人ですから、5ヶ月では短いくらいかもしれません。

彼女は、単なる訪問者の僕ですら、何かしら成果をあげなくてはというプレッシャーを感じるほど、自分の生産性も周りへの期待も高い人です。しかし同時に、いつもencouragingな声掛けをしてくれ、活気ある職場環境を作ることに気を配っている人なので、来週から寂しくなりそうです。

とはいえ、ちゃんと仕事を引き継げる人たちがたくさんいるので、安心して出発前の最終日を迎えた様子でした。

もう一人の研究員は、実質すでに新しい世界で活動し始めているので、今回の滞在中研究所内であうことはありませんでしたが、前回の滞在中は半年同じ研究所で過ごした人。

楽しい会でしたが、終わったあとは、ちょっとしんみり気分の金曜日でした。まあ、Directorが戻ってきても、まだ僕はアデレードにいるので、その間にしっかり調査を進めておかないといけないので、しんみりしている場合ではありません。

ふと見回すと、客員を含む10人以上のメンバー、僕以外、全員女性とういうことに気がつきましたが、そのことすら忘れるくらいこの環境になれてしまいました。

ちょうど日本にいる妻も、これまで積み上げてきた資格と経験を活かして、今日講師デビュー。

これまで以上に、男女かかわりなく、また家族の状況などにかかわりなく、自分の可能性を広げられるような環境が整っていくといいなあと思います。そのための研究をしているので、他人事ではありませんが・・。

最近、街の一コマがご無沙汰だったので、今日の帰り道に見つけたちょっと特徴的なデザインの家の写真を載せておきます。

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小さくても力持ち(tikitの積載力のまとめ)


今日は本当に一日部屋にこもって会計処理のために、パソコン上のファイルをちまちまといじっていたので、夕食の買い物以外、外出もせず。

ということで、過去の写真から、久しぶりに折りたたみ自転車tikitの話題を。

1年間のアデレード滞在中、車を持たないことにしたので、友人に頼る以外は、基本的にこの自転車一台でどんな用事もこなさなければいけません。このシェアハウスに来て最初の1ヶ月間、tikitが届くまでレンタルのマウンテンバイク(一応21段変速)に乗っていたときは、布製のshopping bagを方に担いで、家から3キロほど離れたスーパーの往復をしていました。肩からバッグがずれてくるし、そのバッグ一つ分の買い物しかできないので、お米も2キロくらいの量しか買えない。坂道もきつい。本当に車なしでやっていけるだろうかと不安に思っていました。

しかし、このtikitに乗ってから、自転車の積載力の認識が変わりました。もちろん何もつけていない状態では同じことで、適切なグッズをそろえることが必要。

一つは、OrtliebのFront Roller。tikitのdouble-sided front rackにペアのFront Rollerをつけておけば、たいていの買い物+通勤に対応できます。Back Rollerという一回り大きいものと迷ったのですが、普段使いを考えるとFront Rollerで正解。
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Front RollerもBack Rollerも開閉はチャックなどではなく、口の部分をくるくると巻いて、ベルトで止めるだけ。素材とこの仕組みのおかげで隙間から水が入ることもなく、完全防水。そして、ふたを完全に巻き込んでおけばtikitの16インチタイヤと同じくらいの高さ、でも巻き込みとくとほぼ倍くらいの高さになるので、フランスパンでも隠れるくらいの高さになります。厚みがそこそこあって素材がとても柔らかいので、かなり様々な形のものに合わせて広がってくれます。内装8段ギア(Shimano Inter8)と細めのタイヤ(Kojak)のおかげで、多少の坂も楽々です。
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そしてこのバッグにも収まらない物には、折りたたみの folding rear rack。いろいろ教えてくれるtikit乗りの知り合い(タスマニアの人であったこともないのですが・・)の経験を聞くと、折りたたみ式でないstandard rackだと、大きい荷物はかかとに当たって漕げなくなるとのことですが、こちらは荷物を載せるときには、rackを広げると、高くなるだけでなく、位置が後ろの方に少し張り出す形になります。ですから、サドルのすぐ後ろまで荷物が来ても、かかとに当たることはありません。

 それでは、今まで載せた難度の高いものトップ(ワースト)3!

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こちらは、収納用品の買い出しで、5キロほどの道のりを移動。これは重さはたいしたことがないので、多少がたつく物のそれほど大きな問題なし。途中途中で振り返って笑われますが、笑顔で返します。

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次はセミアコギター(ハードケース)、これは重くて高価なので、最初はかなりひやひやしました。が、左右対称に力がかかることを心がけて、ゴムバンド(bungee cord)で仮止めした後で、布製のロープ2本で止めると割と安定。振動には気を遣いますが、3-4キロの距離を定期的に運んでいます。

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最後は、最大の難関。tiketの入る段ボール。大型のスーツケースくらいの大きさで、バランスが悪い。メルボルンにtikitを持ち込んだ際、駅でtikitを組み立て、CityのSouther Cross駅からSt. Kildaの宿までの7キロほどの道のりを運びました。その後も2回ほど移動。これは、もう体験したくないです。可能ですが、交通量の多いところでは特におすすめできません。

以上、適切な装備があれば、折りたたみ自転車もかなり使える道具だ、というお話でした。

2012年2月15日水曜日

これぞ国際語としての英語!(ついでに初オーブン料理)

今日は研究所で中国人(系?)研究者によるセミナーがあり、参加してきました。

テーマと名前から、そして始まる前に紹介してもらったときにオーストラリアで2年と聞いたことから、自分同じような在外研究中の方かと思っていました。ところが、プレゼンテーションが始まってみてびっくり。中国でのインタビューに基づいた、女性専門職の状況と意識についての優れた研究内容もさることながら、その英語がクリアーで分かりやすい。中国語の特徴がところどころに聞こえるのは確かなのですが、すべての単語がクリアーに聞き取れ、センテンスも明快。英語で聞いてほとんど100%近く聞き取れた研究報告は、日本人の英語も含めて初めてではないかと思うくらい。

イギリス英語的発音といえばそうなのですが、イギリス人が話す英語より少なくとも僕にとっては聞き取りやすい。オーストラリア人のメンバーも彼女のプレゼンテーションのうまさを後から話題にしていたので、ネイティブの人にとっても分かりやすかったのでしょう。

以前こちらに書いた必要な音の区別が、すべて分かりやすいのです。

僕がいくら中学生の頃からネイティブの発音をまねすることに熱心だったとはいっても、初めて海外に出たのが、確か28歳の時。英語を母語として育った人と同じような英語を話せるようにはならないと思います。でも、今日の中国系の人のように、堂々と、誰にでも理解できる英語でやりとりできるというのが、目指すところだな、と改めて決意した今日の経験でした。国際語としての英語(EIL=English as an International Language)ですね。

ただし、これにはオチがあります。在外研究ではなくメルボルンの大学の教授であることは、発表の時にわかったのですが、家に帰ってからさらに情報を探してみました。すると、彼女はオーストラリアに来る前に、すでにイギリスのマンチェスター大学で教授(日本の教授とは比率が違う)にまでなっていて、同大学で中国本土出身の女性で唯一の教授というすごい人らしい。

そうはいっても、中国で大学の先生をした後で、イギリスに渡って地道に研究を続けていった人なので、やはりネイティブスピーカーではありません。

 ということで、彼女のレベルまでは難しいとしても、目指す方向性としては、これかなと思ったわけです。

そんな決意をした日の、晩ご飯。オーブン料理に初挑戦。ちょっと肉が続いたので、Barramundiという魚の切り身(filet)を買ってきて、調理法を検索。

見つけたのが、最近よくお世話になっているTaste.com.auのこちら


全く同じ材料は家になかったので、アーモンドの代わりにピーナッツ、spinachの代わりに、baby choi sumという野菜、Greek style yogurt(ギリシャヨーグルト?)の代わりに普通のnatural yogurt。塩こしょう、乾燥chiliで味付けをしたヨーグルトにdipしてから、砕いたピーナツを片面につけて、オーブンで10分ほど焼いたものです。

野菜の味付けに使うココナッツもないので、醤油で少し味付け。

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レシピの写真と似ても似つかないのは、気にしないでください。別物ですが、結構いけました。何より意外にオーブン料理が楽だということに気づいたのが収穫でした。オーブンをまともに使ったのは、長男が小さかった頃に住んでいた三重県某市の「男のオーブン料理教室」連続講座に参加したときぶりかも・・。

出版記念パーティー&シドニー恐るべし


 オーストラリアにいても年度はしっかりついて回るので、ここ最近年末のどちらかというとに追われる日々。今日は来月のシドニー出張の宿の予約に一苦労。シドニー恐るべし。準備の遅い自分がいけないのですが、週末ほとんど空きがない!そして、ホテルが高い!

 半日、妥当な値段の空き室検索に費やしてしまいました。

 昨晩は「出版記念パーティー」。といっても、自分の本ではなく、研究所のdirectorと研究員の共著。仕事と生活の分野では重要な発信をしている研究所なので、州首相と大学の学長(vice chancellor)のスピーチもありましたが、小さな書店で著者たちの親族も多数参加の和やかな立食パーティ。とはいえ、本屋の中をワインを持った人たちがうろうろしているので、こぼさないかと店の人はハラハラしていたと思います。

 6年前に小学生と高校生だったdirectorの子どもたちとも再会。すっかり大人でした。でも昔と変わらず、母親のこういう仕事の晴れ舞台に参加してくれるというのがいいですね。

 全体パーティの後は内輪の食事会。前半は研究所のメンバーの席で話していましたが、途中からdirectorの弟とその娘さん(日本訪問経験あり)と意気投合。なぜか親族の席に混じって盛り上がっていました。開放的なAussie気質好きです。

2012年2月13日月曜日

Fruit Chutney(フルーツ・チャツネ)の使い道


今日はひたすら、(日本の)年度末の会計処理作業に明け暮れた一日でしたが、昼間に近くのCommunity Centreで開かれていた、日本人関連団体のガレージセールをのぞいて来ました。結構年配の方を含めてこれだけ日本から来ている人がいるんだと、改めて認識。今まで知り合った日本人は同世代か若い人がほとんどだったので、歳も自分よりかなり上で長く住んでいそうな人たちがたくさんいたことが、とても印象的でした。

結局、知り合いは誰もいなかったので、少し立ち話をした程度で、夕食の買い物に。

前に甘口カレーを作ったときに瓶詰めで買ったFruit Chutneyがたくさん余っていて、その使い道をネットで探しました。あまり詳しい情報はなかったのですが、ヨーグルトと混ぜて焼いたラムステーキのソースに使えるというのを見て、断片的な情報を拾い集めて挑戦。

【Lamb のつけ置き】
ラムは一応marinate(つけ置き)したほうがいいと思ったので、次のような材料を混ぜてたれ作り。
・ローズマリー(ちょうど庭に大量にあるので)
・乾燥ガーリック
・レモンジュース
・醤油
Container(IKEAで買ったタッパーっぽい容器)にLambの切り落とし300gほどを入れ、上の材料をどれも適当に全体に降りかかるくらい入れて、ふたをしてよく混ぜ、冷蔵庫で2時間。

【ソースの準備】
・Fruit Chutney
・Natural Yogurt
それぞれ大さじ2杯ぐらいですが、肉の量にあわせて適当に同量ずつくらい。
・乾燥red pepper少々(お好みで)

【Lambのソテー】
つけ置きしておいたLambを容器からだし、ローズマリーなどを取り除いておく。

フライパンを熱しオリーブオイルとバターを全体に広げてからLambを入れる。

両面に軽く焦げ目をつけ、後は焦げ付かないようにひっくり返し。赤ワインを入れて少しアルコールを飛ばしてから、ふたをして少しだけ蒸し焼き。

だいたい火が通ったらいったんお皿に出す。

【ソースの仕上げ】
肉の汁が残っているフライパンでソースの仕上げ。いったん火を通した野菜(冷凍野菜を使いました)を軽く炒め、先に混ぜておいたソースを入れて、温める。
(今日は冷凍野菜をそのまま入れてしまいましたが、これは別にゆでるかソテーするなどしていったん中まで熱くしておいたほうがよかったと思います。食べたらまだブロッコリーの中が半分凍っていました)

 できあがったソースと野菜をそのままお皿のラムにかけるだけ。

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うーん、このソースは簡単で、ラムとの相性ばっちりでした。同じく少しにおいのあるポークにもいいみたいです。red pepperを入れなければ、甘いソースなので、子どもも喜びそう。(盛りつけはまだ改善の余地ありですが・・)

夜にインド人の同居人にChutneyの使い道を聞いたら、何にでも使える、チャパティにつけるし、トーストにのせて食べたらいいと、ちょうど彼が焼いていたトーストで実演してくれました。

2012年2月11日土曜日

オーストラリアでホットケーキ

文字ばかり多いエントリーが続いてしまったので、ちょっとお口直し(?)。

 少し前、同居人(シェアメイト?)の一人が夕食時にpancakeを焼いていて、食べきれないからと1枚分けてくれました。年末にビーチハウスに泊まったときも、ある日の朝食にとてもおいしいpancakeを食べました。どちらもおいしかったのですが、今まで食べたこちらのpancakeは、日本で食べるホットケーキのようなふんわりではなく、ぺったんこです。なので、3日前ふと食べたくなってこちらのレシピを見て、小麦粉とベーキングパウダーをスーパーで探しました。
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 ベーキングパウダーを見つけられなかったので、ベーキングパウダーがすでに入っているself-raising flour(アメリカではself-risingだそうですが、日本語でなんていうのでしょう)の一番安い(1キロで$1くらい)のもの買ってきました。pancake mixのようなものもたくさん並んでいたのですが、一回分だけで$3ぐらいするので上のものを選びました。

 今日、ようやく週末の朝になり、比較的早く起きたので、朝からキッチンを占領して念願のホットケーキを作ってみました。

参考にさせていただいたレシピをちょっとアレンジしているので。自分の覚えのためにも書いておきます。

【材料(小さめ5枚分)】

砂糖 20g
卵 1つ

self-raising flour 200g
牛乳 210ccくらい(計量カップが見当たらず重さで215gだったので、だいたいこのくらいかと)
バター 10g

【作り方】
ボウルに砂糖と卵を入れ、泡立て器でよく混ぜる。なお、キッチンに来た家のオーナーにbeaterはどこ?と聞いたら、That's called whisk.と教えてもらいました。beaterだと人をたたく棒の意味にもなってしまいますね。

 上のボウルに小麦粉(self-raising)をふるい入れ、牛乳と電子レンジで溶かしたバターを入れて、さらに混ぜる。(この間、ボウルずっと秤に乗せっぱなしで、重さを量りながら材料を足していきました)
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厚手のフライパンを弱火(電熱器ですが)で熱し、温度が安定したころに、「おたま」(英語で何というのか)で中央に垂らしていく。きれいに焼くために油は敷きませんでした。

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表面が乾いて、小さな穴が開き始めたら、ひっくり返す。(上の写真は、食べるのに夢中で乾きすぎて失敗です。裏返したときに、しわしわになってしまいました。

 仕上げは、バターを塗って、クランベリーソースとthickened creamに砂糖をまぜたもの載せて。(ちょっと贅沢な感じですが、少し前にクリームパスタソースを作ったときに余ったものです)
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 優雅な気分の朝食でした。同居人がこれを見て、pancakeとは違うflapjackだと言っていましたが。ウェブで調べたら、イギリスとアメリカで違うものを指していたり、とてもややこしいです。

 それはともかく、満足のできだったので、残りも焼いてバンドの練習に持参。いつも家を使わせてもらっているメンバーの奥さんに、出入り禁止にならないように付け届けです(笑)。

2012年2月10日金曜日

GTD(Getting Things Done)再び


 前回のエントリーで「受信箱(In-box)」の本来の意味(=未決書類用トレイ)に気がついたのは、ThingsというTo Do(タスク管理)ソフトを使ったときだった、という話を書きました。

 Thingsの構造は、David Allenという人が提唱しているGTD (Getting Things Done)という日常のさまざまな物事の処理の仕方についての原則に基づいていて、実は前回のエントリーで紹介した本Lifehackerのメールの処理方法も、このGTDに影響を受けているとういことが書いてありました。それで、どちらにも「受信箱inbox」=未決書類用トレイが関わってくるわけです。

 Lifehacker: The Guide to Working Smarter, Faster, and Betterにたどり着いたのは、改めてこのGTDにしっかり取り組んでみようと思い立って、関連の本を探していたからでした。

 大学の教員という仕事は時間が自由になりそうでいて、学期中は授業と授業準備と会議で手一杯で、その合間で何とか研究の時間を捻出している状態。長い夏休みは子どもも休みなので、その関連の用事とたまった原稿書きで精一杯。ただし、2月に入試と年度末の原稿締め切りが一段落した2月末から3月に少し余裕ができること多いようです(僕の場合)。

 ここ数年間、その時期を、自分の仕事と生活の進め方の見直しに当ててきました。そして最初に出会ったのが、2009年の春に読んだデビッド・アレン(田口 元 監訳)『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術 』でした。

 その後の春先の見直し期にも、
2010年はTwitterとPresentation Zen(少し後で研究・授業に欠かせなくなったソフトScrivener)
2011年は佐々木かをりさんのアクションプランナー(手帳)
 などと出会い、その後の仕事と生活に大きな変化をもたらしてくれました。

 (実は、一般向けの話ではないですが、トモ藤田さんの『耳と感性でギターが弾ける本』(リットーミュージック2010年)という本も、30年ギターで難しい曲を弾き続けていながら、アドリブやシンプルなコードワークに自信が持てなかった僕に大きな変化をもたらした本でした。これを学んでいたなかったらアデレードでの音楽仲間(もはやそれを超えていますが)との交流はなかったかも・・と思うほどです)

 話を戻して、GTDの考え方の基本は、気になることをやるべきことをできるだけ具体的なステップに分解して書き出し(頭の中から追い出す)、届いた書類ともども、inboxに入れる。それをとにかく上から処理していく。1分以内でできるようなものはすぐ対応、少し時間のかかるものや今すぐ対応できないものは、To Doとして記録、保管すべきものは保管。といったシンプルな分類で、ともかくinbox(未決)の山をなくしていく。そしてTo Doを週の終わりにレビューする、というものです。(今、現物が手元にないので、記憶の断片をたどっています)

 このGTDに出会ったときは、とにかく目から鱗で、整理の苦手な僕がとりあえず机の上がすっきり。Thingsのさまざまな機能の使い方もわかってTo Doも体系的に処理、という状態が、しばらく続きました。ところが、2年ほど前にあり役職に当たってしまったころから特に紙の書類の方の処理が追いつかなくなり、GTDの具体的な手順を再確認する時間もないまま、エントロピー増大。一度散らかり始めると後はひどくなるばかり・・。ほぼその状態のまま、海外逃亡してしまいました。

 こちらでの調査を本格的に進める時期になり、たっぷりある時間を十分生かし切れていないことに気づきました。そして、ようやく身の回りの整理に取り組み、自室の机もすっきりしたところで、もう一度GTDに取り組もうと決心しました。本を日本に置いてきてしまったので、改めて新しい情報を探した結果たどり着いたのが、Lifehacker: The Guide to Working Smarter, Faster, and Betterだったという訳です。GTDそのものではないですが、それを含めた先人に習ったLifehackが詰まっている本なので、少しずつ読み進めて、毎年恒例春(こちらは秋に向かいますが)の仕事と生活見直しの材料にしたいなと思っているところです。

 まだ、途中なので、どんな発見があったかは、しばらくたってから書きたいと思います。GTDの原則に沿ったTo Do管理ができるソフトThingsの話は中途半端なままになってしまったので、こちらも改めて書きます。

2012年2月8日水曜日

受信箱の意味を考え直す


何のことかと思われそうなタイトルですが、僕にとってはとても重要な発見でした。

ある本(Kindle版ですが)を読んでメールの「受信箱」の本来の意味に気がつき、今までのメールの処理の仕方を根本的に見直しました。昨日の晩から今日にかけて「受信箱の中にメールなし」の状況を作り出し、とりあえずキープしています。厳密にいうと「受信箱の中に既読メールなし」ですが。

メールソフトの「受信箱」は、英語ではin-box。受信箱という日本語のせいか、受け取ったメールを入れておく場所という、メールを使い始めた頃からの固定観念に完全に染まっていました(少なくとも僕の場合)。

しかし、実は英語のin-boxというのは(イギリス英語ではin-trayというらしいですが)、未決済の書類がとりあえず置かれる場所のことだということを改めて認識したわけです。

これまでの僕のメールをめぐる状況はこんな感じでした。

さいわいMacの検索スピードのおかげで、受信箱にすべて入れておいても、あるいは過去のパソコンからインポートした別のフォルダにメールが大量にあっても、瞬時に検索できるので、必要な書類をすぐ取り出して、割と重宝がられる人ではありました。また、メールを受け取って返信できる状況であればすぐ返信するので、反応が早くて助かるともいわれていました。

ただ、つぎのような問題がありました。それは

要返信メールの見落とし


いったん返信しそびれると、いつの間にかリストに埋もれて、かなり後回しになってしまうことがあるのです。

例えば、返信できない、かつTo Doリストにもすぐ登録できないような状況でiPhoneなどでメール読んでしまうと、受け取ったことすら忘れてしまい、受信箱の中に埋もれてしまう。

いつもの愛読ブログShiologyでも、少し前にヒントは目にしていました。アーカイブを活用して、受信箱を空にするということが書かれていて、Apple MailやGmailのアーカイブというのはそうやって使うのかあ、と思ってはいたのです。ただ自分の方法としては、まだ踏み切れていませんでした。

そこで、上に書いた「ある本」です。ウェブサイトLife Hackerの新旧編集長Adam PashとGina Trapaniの著書 Lifehacker: The Guide to Working Smarter, Faster, and Better

(僕が読んでいる上記の本の最新版は2011年刊行ですが、このメールの処理方法の記事自体がLife Hackerサイトに掲載されたのは2006年のものらしく、つい先ほどウェブ上に日本語訳もあることを発見。)

詳細は上の日本語の記事を見ていただくとして、ポイントはつぎのようなところです。

3つのメールボックスの活用


「受信箱」はあくまでin-box(未決トレイ)であって、一時的に新着メールを置いておく場所だということ。

なので、いったんメールを見たら、決してそのままinboxに残さず、何らかの処理をする。ただし、ここですべてに返事をしろというのは現実的ではない。そこで、次の3のフォルダFollow-up (Action)、Hold、Archive(アーカイブ)に自分で振り分ける。


  • 1分以内で返事やその他の対応をできるようなものは返事をしてしまってArchiveに。
  • 少し時間のかかりそうなものは、Follow-upに入れて、別途To Doとして記録。
  • 処理は終わっているが、数日中に参照する必要があるようなものはHoldに。
  • もちろん一目見て捨てていいようなものは削除。


というものです。

きれいにフォルダ分けしている人は大勢いるようなので、それができる方には今更必要ないかもしれないのですが、僕は分類がとても苦手。分類に頭を悩ませている間に、時間がたってしまう。

それで受信簿に入れっぱなしにして、基本はすぐ返事、しかしできないものにはフラグをつける、などの対応をしていました。しかし、フラグをつけ忘れることもあるし、フラグをつけたものも、普段すべてのメールの処理をしている受信箱から抽出しないと目につかないので、ついつい見落としてしまう。

これら、もろもろの問題が、上の方法とGmailとメーラーソフトでのIMAP方式の活用でほぼ解決することに気づきました。

僕の環境は、研究所で使っているMacbook Airでは、ウェブブラウザ(Chrome)でGmailを見る。家ではMacbook ProでApple Mailアプリ。ときどきiPhoneのMail。もともと、すべてのメールをGmailのアカウントに転送して、すべてimapで連動しています。そこに上のようなフォルダ(Gmailではラベル)構成を作ると、どこかでフォルダ処理をすれば、他のところにも反映されます。受信箱は基本的にからであるはずなので、仮にiPhoneで見て処理し忘れたとしても、パソコンで見たときに、受信箱に残っているので、処理をしなければならないことに気づきます。

比較的時間のある今のうちにこの処理になれておけば、忙しくなっても何とかなりそうに思いますが、甘いでしょうか・・。

実は、「受信箱」の本来の意味に気がついたのは、今回が初めてではなく、2008年からiPod Touch(今はiPhone)とMacで使っている、ThingsというTo Do(タスク管理)ソフトでこの名前が使われていたことからでした。次のエントリーでは、このThingsとその背後にあるライフハックGetting Things Doneについて書いてみようと思います。

【2012年7月9日追記 先日大学で受講した時間管理講座の話にヒントを得て、よく来る宣伝メール(DM)だけは、Gmailのフィルタリングで、アーカイブの中の宣伝メールフォルダに直行するようにしました。時間のあるときにちらっと見ればすむので。】

2012年2月5日日曜日

折りたたみ自転車(tikit)でよかった

今日はCycling for Pleasure Groupの2週に1回の日曜サイクリング(Sunday ride)。ちなみに、オーストラリア(たぶんイギリスも)の英語では、2週間という単位を表す名詞fortnight(あるいは形容詞・副詞のfortnightly)が、不思議とよく使われます。そしてmonthよりweek。家賃の表示も週単位で、支払いが2週間ごと(fortnightly)。オーストラリアで賃貸物件を探すときは、くれぐれも月の家賃だと思い込んで契約しないように気をつけてください(笑)。月単位だとその月によって長さが違うので、週単位で値段を決めるのは確かに合理的なんですよね。

 話を戻して、この日曜サイクリング、原則は10時か11時に集合して午後3時頃に終わるというパターンなのですが、夏の暑い時期は、一番暑い時間帯を避けるなどの工夫をして企画されています。今日はtwilight rideという企画で夕方5時に集合し、しばらく走ってからFish and Chipsのお店で夕食という企画でした。

 ところが、このところ、アデレードの夏とは思えない、寒いくらいの気候。今日は最高気温が21度、断続的ににわか雨(shower)の降る不安定な天気。しかも、集合場所が家から18キロほど離れていて、電車の駅は近くにありません。参加を迷いながらも家を出ると、すぐに大雨。参加をやめて帰ろうかと思ったほどでしたが、夕方まで家にこもっていたから出かけたいし、行く方向の空は割と明るいので、「まあ、最悪どこかからバスに乗せて帰ってこられるし、なんとかなるだろう」とそのまま集合場所のWest Beachに向かいました。

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 シティの外、すぐ西側の郊外。大きな道路を渡る場所には、中間点に写真のような安全地帯。ちゃんと自転車と歩行者の通るところがくぼんでいて、両側に手すり(安全柵?)があるのが特徴的です。アデレードの周辺あちこちで見られる構造です。

 目的地まで緩い下り坂かほぼ勾配なしなので、途中までは快調に進んだのですが、空港の近くにさしかかったあたりから、障害物がないせいかはげしい横風。集合場所に着く頃には、足がつりそうな疲労。

 そんな天候で、誰も来ていなかったらどうしようかと思いましたが、集合場所には10人以上のメンバーが。今日のリーダーも、集まったみんなに向かって You are so brave and “stupid” 。もっとも、他のみんなは、ごく近い人以外は、車に自転車を乗せて集合。僕が着くなり、帰りも自転車で帰るのかと心配されてしまいました。

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 サイクリングコース自体は、上の写真のLinear Parkと呼ばれる川沿いの公園に沿った道など、大半が自転車歩行者専用道で、並木のおかげで風もまし。

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 空港の横(↑)だけ、かなりの風を受けましたが、思ったより快適なサイクリング(20キロほど)でFish and Chipsの店に到着。

 さすがに、このあと、上り中心の20キロ近くを全部自転車に乗って帰る気力はなく、「シティまではバスに乗ろう」と考えていました。すると、メンバーの一人が、家の方向はまったく逆でしたが、たまたま新車の距離を乗る必要があるのと、近くのエリアに住んでいる娘さんの顔を見に行けるからというので、tikitを4WDの荷室にご本人のDahonの折りたたみと一緒に乗せて、家まで送ってくれました。

結局人の車に頼ってしまってはいますが、目的地にたどり着けたら帰りはバスなどに乗せて何とかなる、という折りたたみ自転車tikit安心感は、普通の自転車よりもかなり行動範囲を広げてくれているように思います。

歩行者・自転車に優しい工夫

少し前に不便さと安全の話を書きましたが、ほかの安全上の工夫も紹介しておきます。

前提として、オーストラリアでは大人の自転車は車道通行です。あまりに走るスペースのないところや、道路沿の家の出入り前後については歩道をゆっくり走ることはありますが、自転車が許可された歩道のある場所以外は、実際ほとんどの自転車が車道を走っています。

日本でも法律は車道通行ですが、事実上走りにくいこともあってほとんど歩道通行になっていますよね。もっとも、最近、厳密に適用する、しないの議論があるようですね。

アデレードの場合、大きな道にはたいてい自転車レーン(Bike lane)があります。メルボルンは、その範囲が少なくてかなり怖い思いをしましたが・・。

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上の写真のように、道幅の余裕のあるところでは、Bike laneは合法路駐スペースより中央よりにあります。路上駐車のせいで自転車の走るところがないということは、この工夫で避けられています。ただしドアを急に開けられたら危険なのですが・・。シティでは、ドアを開ける幅を、安全地帯のように塗り分けているところも見かけます。

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これもある程度車線の多い道の場合ですが、左折レーンはBike lane(直進)の外側。巻き込み防止ですね。まあ、これはこれでちょっと怖いですが。Bike Laneが一番外側にある場合は、巻き込み防止のため停止線が自動車よりも前にあります。

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上の2枚の写真は、前回簡単に言葉だけで説明しましたが、行き止まりではないものの、わざと1車線かつクランク状にし、かつ入り口に少し段差をつけ、さらにブロックで石畳風にして、交差点の手前で自動車のスピードを落とさせる工夫。同じ箇所をそれぞれ反対の方向から見たところ。日本でも、事故の起こりやすい一時停止箇所で、この工夫はできそうに思いますが、難しいのでしょうか。

2012年2月4日土曜日

手間のかかるメンテナンス

以前のエントリーでクリケットグラウンドのピッチ(投手と打者が投げて打って走るところ)に新たに芝を植えて、冬のスポーツの準備ということを書いたのです。そのときも、早すぎるなあとは思っていたのですが、その後場所によっては、新たにピッチらしいものが横に作られているような気がしていました。

そして今日、通勤経路で、新たなピッチ作りの作業現場に遭遇。

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遠くから写真を撮った後、せっかくだから推測でなく確認しよう!と思って、作業中のお兄ちゃんに直撃インタビュー。

しばらく使うと、地面が荒れてくる(worn outという表現を使っていました)ので、2週間ごとに場所を変えて平らなピッチを作るのだそうです。オーストラリアデーのパーティーの時に初めて公園でゲーム形式のクリケットをしましたが、バウンドさせた玉を打つというのは野球とはかなり感覚が違って、難しいです。その点は、むしろテニスでボールを打つのに近いですね。そのバウンドがあるので、ピッチは平らにしておかないといけないのでしょう。

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手前の、芝がくっきりと削られている部分が新しいピッチと、今日引かれたばかりの真新しいライン(crease)。奥の黒いところが、古いピッチのえぐられた地面を土で埋めている場所

あちこちにあるクリケット場(oval)。たいていは誰でも出入りできるReserveと呼ばれる公園の中にあるですが、整備に相当手間がかかっていると思われます。

なお前にも書いたかもしれませんが、Google Mapsの日本語版ではReserveに「保護区」という訳語を当てられています。とても違和感があるのですが、オーストラリアでその言葉のイメージに近いのはconservation parkで、reserveは誰でも入れる広い芝生のある比較的大きな公園のことです。Australian Oxford Dictionaryの定義では、land set aside for recreational use as a public park etc(公共の公園などとしてレクリエーション用に取っておかれた土地)という定義がそれにこれにあたると思います。この「取っておかれた」という意味で、reserveという言葉が使われているのですね。

2012年2月1日水曜日

女もすなるクリケット

OECD諸国の中でも男女平等の度合いの高いオーストラリアですが、クリケットはイギリスの伝統スポーツとしての名残か、ほとんど女性がやっているのを見ないなあと思っていました。テレビのスポーツニュースで一度だけ扱っているのを見ましたが、あちこちになるクリケットグラウンド(Oval)で女子クリケットチームがプレーしているのを直接見たことは、今までありませんでした。

しかし今日の帰り道、初めて発見。たぶん高校生チームですが、練習用のケージで男子チーム女子チームがちょうど並ぶ形で、投球(Bowling)と打撃(Batting)の練習をしていました。同時に投げている2人のBowlerでは、明らか女子の方が迫力のある玉を投げていましたよ。

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かなり見えづらいですが、奥が女子チームです。写真をクリックしてflickrに入り、上の方の虫眼鏡マークをクリックするとサイズを選べます。

ますますMulticulturalなシェアハウス

3日続けて長々と書いてしまったので、今日は簡単に、久しぶりに住んでいるシェアハウスの話題。2人いたインド人のうちの1人がメルボルンに引っ越してしまってから、しばらく空いていた部屋に、少し前、新たな同居人がやってきました。今度はイスラエル人(Israeli)。これでオーストラリア人4人に、日本人、サウジアラビア人、インド人、イスラエル人が住む、さらに多様なミニ多文化共生社会。宗教的にも、信仰の程度はいろいろですが、かなり多種のものが共存していることになります。とても話し好きで、短期間でいろいろ話す機会があったので、少し前にメルボルンで目にしたユダヤ教徒の生活というのが、一気に身近になりました。

昨日までの話とも関係しますが、いろいろなお国なまりの英語。一番分かりやすいRについていえば、ヘブライ語ではフランス語みたいにのど(口蓋垂)を震わせるんだなとか、インド(パンジャブ)の英語では舌先を震わせるいわゆる「巻き舌」になるんだなとか、だんだんわかって聞き取りやすくなってきます。

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 ユダヤ教徒の彼と話すまで全く気づかなかった、いつも行くスーパーのあるセクション。ユダヤ教の戒律に則った処理方法や材料(油の種類など)を使った食材、Kosher Foodのコーナーです。少し調べて見たところ、生産過程を確認して認証されているので、ユダヤ教徒以外でも安全な食品として購入することもあるそうです。今日キッチンでキッコーマンの醤油を使っていたら、「それはKosherのリストに載っている」と教えてくれました。