2012年2月10日金曜日

GTD(Getting Things Done)再び


 前回のエントリーで「受信箱(In-box)」の本来の意味(=未決書類用トレイ)に気がついたのは、ThingsというTo Do(タスク管理)ソフトを使ったときだった、という話を書きました。

 Thingsの構造は、David Allenという人が提唱しているGTD (Getting Things Done)という日常のさまざまな物事の処理の仕方についての原則に基づいていて、実は前回のエントリーで紹介した本Lifehackerのメールの処理方法も、このGTDに影響を受けているとういことが書いてありました。それで、どちらにも「受信箱inbox」=未決書類用トレイが関わってくるわけです。

 Lifehacker: The Guide to Working Smarter, Faster, and Betterにたどり着いたのは、改めてこのGTDにしっかり取り組んでみようと思い立って、関連の本を探していたからでした。

 大学の教員という仕事は時間が自由になりそうでいて、学期中は授業と授業準備と会議で手一杯で、その合間で何とか研究の時間を捻出している状態。長い夏休みは子どもも休みなので、その関連の用事とたまった原稿書きで精一杯。ただし、2月に入試と年度末の原稿締め切りが一段落した2月末から3月に少し余裕ができること多いようです(僕の場合)。

 ここ数年間、その時期を、自分の仕事と生活の進め方の見直しに当ててきました。そして最初に出会ったのが、2009年の春に読んだデビッド・アレン(田口 元 監訳)『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術 』でした。

 その後の春先の見直し期にも、
2010年はTwitterとPresentation Zen(少し後で研究・授業に欠かせなくなったソフトScrivener)
2011年は佐々木かをりさんのアクションプランナー(手帳)
 などと出会い、その後の仕事と生活に大きな変化をもたらしてくれました。

 (実は、一般向けの話ではないですが、トモ藤田さんの『耳と感性でギターが弾ける本』(リットーミュージック2010年)という本も、30年ギターで難しい曲を弾き続けていながら、アドリブやシンプルなコードワークに自信が持てなかった僕に大きな変化をもたらした本でした。これを学んでいたなかったらアデレードでの音楽仲間(もはやそれを超えていますが)との交流はなかったかも・・と思うほどです)

 話を戻して、GTDの考え方の基本は、気になることをやるべきことをできるだけ具体的なステップに分解して書き出し(頭の中から追い出す)、届いた書類ともども、inboxに入れる。それをとにかく上から処理していく。1分以内でできるようなものはすぐ対応、少し時間のかかるものや今すぐ対応できないものは、To Doとして記録、保管すべきものは保管。といったシンプルな分類で、ともかくinbox(未決)の山をなくしていく。そしてTo Doを週の終わりにレビューする、というものです。(今、現物が手元にないので、記憶の断片をたどっています)

 このGTDに出会ったときは、とにかく目から鱗で、整理の苦手な僕がとりあえず机の上がすっきり。Thingsのさまざまな機能の使い方もわかってTo Doも体系的に処理、という状態が、しばらく続きました。ところが、2年ほど前にあり役職に当たってしまったころから特に紙の書類の方の処理が追いつかなくなり、GTDの具体的な手順を再確認する時間もないまま、エントロピー増大。一度散らかり始めると後はひどくなるばかり・・。ほぼその状態のまま、海外逃亡してしまいました。

 こちらでの調査を本格的に進める時期になり、たっぷりある時間を十分生かし切れていないことに気づきました。そして、ようやく身の回りの整理に取り組み、自室の机もすっきりしたところで、もう一度GTDに取り組もうと決心しました。本を日本に置いてきてしまったので、改めて新しい情報を探した結果たどり着いたのが、Lifehacker: The Guide to Working Smarter, Faster, and Betterだったという訳です。GTDそのものではないですが、それを含めた先人に習ったLifehackが詰まっている本なので、少しずつ読み進めて、毎年恒例春(こちらは秋に向かいますが)の仕事と生活見直しの材料にしたいなと思っているところです。

 まだ、途中なので、どんな発見があったかは、しばらくたってから書きたいと思います。GTDの原則に沿ったTo Do管理ができるソフトThingsの話は中途半端なままになってしまったので、こちらも改めて書きます。

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